相続が起こった場合、手続きは何をすればいい? 実際に困ったこととは? 家族が亡くなったときは、葬儀を出すだけでなく、役所への届け出や遺産相続、遺族年金の受け取りや相続税の申告など、様々な手続きが必要になります。 『うかる!FPシリーズ』 に収録している項目をもとに、暮らしに役立つ知識を紹介します。第3回は、「相続の手続きと困りごと」を解説します。

相続の手続きにもいろいろある

 家族が亡くなったときは、葬儀を出すだけでなく、役所への届け出や遺産相続、遺族年金の受け取りや相続税の申告など、社会保険や税金などの分野で、様々な手続きが必要になります。

 手続きの期限は原則として次のようになっています。手続きを忘れないよう注意しましょう。

相続発生後の手続き
相続発生後
いつ?
内容
直ちに 病院で死亡診断書(事故の場合は死体検案書)を受け取る
できるだけ早く 遺言書の確認、遺言書の検認手続き(家庭裁判所)、免許証・パスポート等の返還(警察やパスポートセンター等)
5日以内 健康保険・厚生年金の資格喪失届
※会社員等の場合、会社が行う場合も多い
7日以内 死亡届(火葬許可申請もあわせて行う)
14日以内 ・世帯主の変更届
・住民票の抹消
・国民健康保険、国民年金、介護保険の資格喪失届(市区町村役場へ届け出を行う)
3か月以内 相続の放棄または限定承認の届け出(家庭裁判所)
4か月以内 被相続人の準確定申告(被相続人の所得税の申告)
10か月以内 相続税の申告・納税
3年以内 生命保険金の請求

親が亡くなった後に困ったこと

 親や親族が亡くなった場合、相続税の支払いに困るのでは、と心配される方も多いと思いますが、実際に相続税を支払っている割合は、2020年で8.8%にすぎません。

 相続が起こった場合、実際に困ったこととは、どのようなものでしょうか。多くの方が次の点を困ったこととして挙げています。

 事前に準備できることも多くあります。エンディングノートを活用するなど、対策を立てておきましょう。

親族が亡くなった後で困ったこと
・遺品の整理
・どんな書類をいつまでに提出すればいいのか
・亡くなった親族の知人などの連絡先
・遺影の写真がない
・どこに資産がいくらあるのか
・遺言書があるのかどうか
・遺産分割(相続財産の額に関係なく)

エンディングノートの活用

 エンディングノートとは、高齢者などが家族に自分が亡くなることに備えて、自身の基本的な情報や財産の状況、自分の希望を書き留めておくノートのことをいいます。

 遺言書を正式に作成するのが面倒な場合、エンディングノートを書き留めておくことで、残された家族の役に立ちます。

エンディングノートに書くべき基本事項の例
自身のプロフィール ・本籍地(本籍地を変更していた場合は、変更前の本籍地も記載)
・生年月日
・職歴
・家系図
・交友関係(主な友人などの名前と連絡先)
・親戚の連絡先
・マイナンバーや基礎年金番号
財産 ・預貯金、株式等の有価証券等を預けている金融機関名
・住宅ローン等の借入金(金融機関名やその時点での金額)
・保険(生命保険や年金保険等)を契約している保険会社
・不動産(所在地等)
遺産分割 誰にどの財産を相続させるかの希望がある場合、その内容と理由
医療 延命処置を希望するかどうかなど
葬儀 形式や業者などの希望
※ 本文中の金利等の数値は2022年9月時点のものです
圧倒的情報量で安心!

ファイナンシャル・プランニング(FP)技能士は、お客様のライフプランの設計・実行・見直しなどをアドバイスするための資格です。個人の価値観やライフスタイルが多様化し、社会情勢や経済動向が激変するいま、FP技能士が活躍する場が増えています。

フィナンシャルバンクインスティチュート編/日本経済新聞出版/1980円(税込み)
>>日経の資格試験対策書「うかる!」シリーズとは?