AKB48の元メンバーでタレントの武藤十夢(むとう・とむ)さんは、AFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)資格を持ち、投資歴は10年に及び、株主優待銘柄への投資も行っています。これまでMCとして数多くの投資家に話を聞き、情報を発信してきた武藤さんに、株主優待の魅力や上手な活用方法をうかがいました。日経ムック『株主優待ハンドブック 2026-2027年版』の特別インタビューから、一部を抜粋して再構成。
タレント、ファイナンシャル・プランナー
優待で投資の楽しさがアップ
実際に投資をされているとのこと。始めたきっかけは?
武藤 AKB48に所属していた頃、ほかのメンバーと投資に自腹で挑戦する企画をいただいたのがきっかけです。もともと興味はあったのですが、口座開設などの手続きが難しそうでなかなか始められないでいたので、とても良い機会でした。
最初は投資信託から始めて、相場変動があって価格が下がったときにチャンスだと思って多く買っていたら、ほかのメンバーよりも運用益が大きくなったんです。皆で競い合って楽しんでいたので、大きな利益を出せたのがうれしくて。どんどん投資が面白くなり、もっと勉強しようと思うようになりました。
個別株にも投資を?
武藤 投資の基本的な仕組みに慣れてきたところで個別株も始めました。当初は株価の割安・割高を測るPER(株価収益率)などの投資指標の分析が難しくて、どんな銘柄を買えばいいかと悩んだのですが、テレビなどで株主優待を有効活用している方を見て「面白そう!」って思って。応援したい企業の中で、株主優待がある銘柄だと特典を受け取るワクワク感を得ながら投資できて、値上がり益も狙える。一石二鳥だと思い、優待銘柄で個別株投資デビューしました。
投資ビギナーではなくなった今でも、優待内容は銘柄選びの判断基準の1つです。商品が届いたり、普段の買い物で割引券を使えたりすると、「優待銘柄に投資をしていて良かった!」と思います。
百貨店の優待をフル活用
武藤さんが魅力を感じる優待とは?
武藤 よく使うのは百貨店の優待です。化粧品や小物のお買い物で百貨店をときどき利用するので、割引がつく優待特典は重宝しています。百貨店の取り扱い商品は人気商品も多く、品質も安心感があるので、自分用だけでなくギフト用に割引券を使うこともあります。
優待で割引が受けられると、その差額分少しクオリティの良い商品を選べたり、普段ならちょっと迷うブランド商品にも手が届きやすくなったりして、選択肢が広がるのもメリットだと思います。自分が本当に良いなと思ったものを贈れて、贈った相手と幸せをシェアできるのがうれしいですね。
使いやすさも注目しています。過去に商品券や割引券の有効期限が知らない間に切れてしまった失敗もあって、なるべく実用性の高い優待を選んでいます。
1. 優待は実用性を重視!
「いろいろな買い物に使える割引券や、普段から使っているサービスの利用券が好きです。有効期限も必ずチェックしています」(武藤さん)
2. 優待利回りもチェック
「投資金額に対する優待利回りも見ています。上手に銘柄を選びたいですよね」(同)
3. お気に入りリストを活用
「スマホアプリで、気になる銘柄や保有銘柄をリストで管理しています。株価も見て、購入するタイミングの参考にしています」(同)
応援したい企業の株を長期保有
銘柄選びで大切にしていることを教えてください。
武藤 いくつか条件を組み合わせて検討しています。投資を続けてきて学んだのは、保有期間やリスクの取り方など、投資には人それぞれの目的や判断基準があるということです。
誰かの意見を聞いてそのまま売買すると、自分のタイミングと合わずに失敗することも多くて、すごく悔しいんです。だから、自分で納得できる理由をきちんと持って購入するのが大切だと思っています。
私は応援したい企業の株を長く保有するスタンスなので、業績が安定していて、サービスや商品自体をいいなと思える企業を中心に選んでいます。普段から愛用しているサービスや、実際に店舗を見てにぎわっているなと感じる企業は投資の対象としても日頃からチェックしています。最近気になっているのは食料品や温浴施設の優待。食料品や調味料は日常的に活用できますし、温泉や銭湯も好きなので注目しています。
優待が魅力的でも、PERなどの指標は必ず確認しています。株主還元に意欲的でも業績や株価の動きに不安がある場合は購入を見送ることも。優待は保有する楽しみを増やしてくれますが、投資である以上、企業の成長性や安定性を評価するのは大前提ですね。
SNSから街歩きまでアンテナを張る
情報収集はどのようにされていますか?
武藤 まず業績や株価を確認できる金融情報サイトをチェックします。売上や利益、株価の動きも確認して成長している銘柄を絞り込んでいます。SNS(交流サイト)もときどき使っていますよ。商品の口コミやほかの投資家さんの意見を読んだりすると、新たな観点を得られることがあります。もちろん、SNSの情報は売買の根拠ではなく、あくまで参考の1つで、気になる意見は自分で調べ直しています。
自分の考えを持って、日常生活でアンテナを張ることも大切にしています。街なかでにぎわっている店舗を見つけたら、運営会社や経営者のSNSを確認することも。そこで共感できるかも私にとって大きな判断材料です。情報収集していると気になる銘柄もどんどん増えますね。約100銘柄をリストにまとめて日々チェックしています。
投資初心者へのメッセージをお願いします。
武藤 あくまで私の意見ですが、まずは自分のスタンスを大切にしています。一攫千金(いっかくせんきん)を狙うより、中長期で保有したいと思える銘柄を選ぶこと。あと、欲しい優待がある企業から買うのも1つの方法ですよね。難しく考えすぎず、「この商品好きだな」「応援したいな」と思う気持ちを軸にすれば、投資も身近に感じられるはず。自分なりの判断基準を持つことが、楽しみながら投資を続けられるコツだと思います。
百貨店割引
「百貨店には自分が使ってみたい商品やギフトをよく買いに行くので、優待の割引はとてもありがたいです」(武藤さん)
カタログギフト
「実用性で選ぶならカタログギフトは非常に魅力的。多くの商品から気になるアイテムを選べる楽しさはカタログならでは」(同)
調味料
「調味料などの食料品も魅力的な優待です。愛用している商品なら、使い切れずにムダになることも少ないはず!」(同)
取材・文/髙木文(ペロンパワークス) 写真/片桐圭(リンガフランカ)
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日本経済新聞出版編/日本経済新聞出版/1760円(税込み)



