暗号通貨ミナ(Mina)を運営するO(1)Labsのシニア暗号エンジニア。それ以前の経歴としては、Facebook(現在はMeta)傘下のNoviで暗号通貨ディエム(旧称、リブラ)のセキュリティリード職にあり、その前にはNCC Groupで暗号サービスを担当していた。暗号学を専門とするそのキャリアを通じ、OpenSSLやLet’s Encryptといったオープンソースのプロトコルについて、公的な資金援助を受けた監査に参加している。Black HatやDEF CONをはじめとするカンファレンスに登壇することも多く、Black Hatでは定期開催される暗号学コースで指導も受け持っている。TLS1.3やNoiseプロトコルフレームワークなどの標準に対する貢献も大きい。また、Go言語の標準ライブラリではCVE-2016-3959、TLSの各種ライブラリではCVE-2018-12404、CVE-2018-19608、CVE-2018-16868、CVE-2018-16869、CVE-2018-16870など数多くの脆弱性を発見している。なかでも、Discoプロトコル(www.discocrypto.comwww.embeddeddisco.com)の開発と、スマートコントラクトに関するDecentralized Application Security Project(www.dasp.co)が大きい業績として知られている。RSAに対するキャッシュ攻撃(http://cat.eyalro.net/)、QUICに基づくプロトコル(https://eprint.iacr.org/2019/028)、ECDSAに対するタイミング攻撃(https://eprint.iacr.org/2015/839)、ディフィー・ヘルマンにおけるバックドア(https://eprint.iacr.org/2016/644)などに関する研究がある。最近の活動については、自身のブログ(www.cryptologie.net)が日々更新されている。