内容紹介

日本発の通信技術PHSが様々なビジネスシーンで活用され、気がつくと至るところにPHSが浸透している。もともとPHSは、「デジタル式のコードレス親子電話の子機をそのまま屋外でも使えるようにする」という発想から生まれた。屋外では親機の役割を果たす基地局を街中にこまめに設置して通話を中継する。携帯電話の基地局は、通常1局あたり半径数100m~数kmのエリアをカバーするが、PHSの基地局がカバーする範囲は、数10m~数100mと非常に小さく、PHSの通信方式は「マイクロセル方式」と呼ばれている。
 PHSを国内では唯一推進するウィルコムは長年にわたり日本全国に16万局の基地局を設置しているが、この膨大な基地局を活用した「マイクロセル方式」は低い伝送出力で済むため端末の小型化や通信の高速化などにメリットを発揮し、次世代の無線ブロードバンドでも大きな役割が期待されるようになってきた。
 本書は、ユビキタス時代を支える無線ブロードバンドのインフラとして、こうしたウィルコムの「マイクロセル方式」が果たす役割や特徴、メリットなどを分かりやすく紹介する。