内容紹介

最近の石油価格高騰、それに触発された資源ナショナリズムの台頭、中国、インドの経済成長に伴う石油消費の世界的拡大など、石油はますます「戦略的資源」の性格を帯びてきている。かつての石油公団、現在は石油天然ガス・金属鉱物資源機構は、世界中のエネルギーに関する情報を集める日本最大の機関。その豊富なデータをもとに主席エコノミストの著者が、石油をめぐる日本人の「常識」を覆す。石油価格高騰の主因は、石油資源枯渇でも、途上国経済の急成長による需要膨張でもなく、巨額な年金基金がヘッジファンドの商品ファンドを通して石油の先物市場に流入したためであると見る。石油の後を追うように天然ガスも戦略資源になってきた。「油断」日本に警鐘を発する1冊。