内容紹介
初期宇宙研究の世界的な第一人者として名高いビレンケンが、現代宇宙論の面白さを語り明かす。アラン・グースのインフレーション理論がなぜ一夜にして大きな成功を収めたのか。当初、そこにはどんな理論的問題があったのか。その問題がどのように克服されて、ビレンケンの「永久インフレーション」モデルやアンドレイ・リンデの「カオティック・インフレーション」モデルに結びついたか。ホーキングやビレンケンの宇宙創成モデルとはどのようなものか。ひも理論のアイデアと現代の宇宙論がどのように関係しているか、といった話がユーモアを交えて語られる。宇宙は有限であるのか無限であるのか、といった古くからの宇宙の謎の数々に対して、ビレンケンは永久インフレーションの考えに基づいて、驚くべき答えを出す。すなわち、宇宙は無限であると同時に有限、進化しているのに静的、永遠でありながら始まりがあったというのである。さらに、宇宙の遠く離れた領域に、地球とまったく同じ惑星が無数にあり、そこでは私たちとまったく同じクローンが暮らしていて、その中の何人かは本書とまったく同じ本を手にしている、とビレンケンは予言している。正誤表はこちらです。