内容紹介
本書は、ユーザーの心の奥底に潜む、本人も実は気づいていない「要求の本質」を引き出すための方法を具体的に紹介した本です。システムは、ユーザーが困っている現状を改善するために開発するものばかりでなく、ユーザーの深層心理にある欲求に応えるものもあり、実はそうしたシステムこそ、ユーザーが求めているものだったりします。たとえば、Amazonにしても、iPodにしても、携帯電話にしても、「それを見るまでは誰ひとり欲しがらなかった商品(サービス)」ですが、一度手にしたら「もうこれなしてでは生きていけない」と感じるものです。こうしたシステムは確かに魅力的だけど、いざ発明しようと思うと、どうしたら考え出つくのかはよくわかっていません。また、ユーザーに要求をたずねると、実は要求を語っているようで、具体的なソリューションを語っていたりします。要求は聞き出すだけでは不十分なのです。
本書では、ユーザーのニーズや業務を学びながら、真の要求を具現化していく過程を、事例を交えながら語っていきます。ソフトウエア開発の「要求仕様」をどうまとめるかにとどまらない、要求の本質に迫った「要求仕様」の本です。