内容紹介
2010年1月末、住宅業界に激震が走った。2009年の新設住宅着工件数が100万戸を大幅に下回る約80万戸だったことが明らかになったのだ。これは東京オリンピック時以来の低水準である。住宅業界は、少子高齢化が進む中で中長期的には縮小傾向に向かうとされてきたが、まさにその現実を突きつけられる形となった。その中で増収増益を続ける桧家住宅の生き残り戦略とは--。同社は、埼玉県久喜市に本社を置き、戸建て注文住宅を手がけてきたが、2007年11月の株式を機にM&Aを活用して、不動産、建材関連企業を傘下に収め積極的に事業領域を拡大している。それぞれ住宅とは不可分の事業ではあるが、狙いは単にそこにとどまらない。買収した建材会社の持つ「高気密・高断熱」技術を導入して、中核事業である戸建て住宅のエコ化を追求する一方で、不動産事業のノウハウを戸建て住宅の受注増に結び付ける工夫をしている。つまり、グループ内の中核事業と新規事業が相互に深化と拡大を促し、それにより業界内での競争優位を確立することを目指しているのである。