内容紹介

プロジェクトが大きくなり、複雑になってくると、勘と経験に頼っていた従来からのプロジェクト管理手法が通用しなくなってきます。このような場合、グローバル基準に則った科学的かつ定量的な進捗管理の方法が必要になります。「数字」で進捗を把握して状況を定量的に分析することで、遅延の量はどれくらいなのか、そしてスケジュールを回復するにはどういう対策を打てばよいかが、ピンポイントで判明するからです。
本書は、IT業界のプロジェクト・マネジャーやSEの方を対象に、スケジュール進捗をコントロールして困難なプロジェクトを成功に導く方法を解説したものです。進捗状況を測るものさしとして機能するマスタースケジュールの作成方法と、アーンドバリュー・マネジメント(EVM)を利用した、数値データに基づくプロジェクトの進捗管理がメインテーマです。約170点の図表と具体的な例題で、ITプロジェクトのスケジュール必達のポイントを、分かりやすく解説します。説明には、インターネット・ショッピング・システム開発プロジェクトの具体的な例題を使用しています。
国際的に認知されたスケジュール記述法であり、進捗管理のベースラインとして使用するためのPERT図やガント・チャートの描き方を述べた後、アーンドバリュー・マネジメント(EVM)について詳細に解説します。さらにプロジェクト進捗の度合いを示す様々な数値データの計算法を記述、このデータから遅延したプロジェクトを本来のスケジュールに戻す方法を示します。さらにEVMの総まとめとして、実際に使われたPMS(プロジェクトマネジメント・システム)の事例紹介を通して、プロジェクト現場におけるEVMの使い方を説明しています。