内容紹介

本書は、グローバル化に取り残され、今まさに競争力を失いつつある多くの製造業が抱える問題点を、事業投資の仕組みという観点から掘り下げ、解決のための指針を与えるビジネス書です。ここ十数年、日本企業の多くは、調達先や市場といったビジネスドメインのグローバル化に努めてきました。しかしその実態を見る限り、自身の仕組みそのものはグローバルモデルに転換できていません。真のグローバル企業を見ていて気付くことは、戦略の作り込みとそれを現場にブレークダウンするプロセス、戦略実行に向けた経営資源マネジメントのプロセスに、彼らが莫大な時間とお金を費やしているという事実です。日本企業のビジネスのやり方に慣れきったかたから見ると、それを「ムダ」だと思うのかもしれません。しかし、そこにこそ、彼らの強さの秘訣があるのではないでしょうか。
 この本では、これらの一連の行為を「戦略的事業投資」と呼んでいます。事業投資を戦略的に行うための仕組みは、戦略立案や戦略実行の本質につながる、言わばビジネスの生命線です。「戦略的事業投資」の重要性やどうしたらそうした投資を図れるかを本書で説明します。