内容紹介

トヨタ車による事故を調査していた米運輸省は2011年2月8日、焦点となっていた電子制御システムについて「欠陥はない」との最終報告をまとめた。

全米のメディアから集中砲火を浴び、豊田章男社長が連邦議会の公聴会に召喚されるなど守勢に立たされたトヨタだが、厳しい局面を乗り越えた。
リーマンショック後の世界不況、その後の石油価格急騰、さらに追い討ちをかけたリコール騒動というトヨタを襲った3つのピンチ。トヨタはそれを乗り切って業績回復を果たすのだが、どう乗り切ったのかをテーマに、トヨタ研究の第一人者が解説した。

リコール問題では当初、対応が後手に回り、世論の声を受けた議会やマスコミから集中砲火を浴び、アメリカに進出して以来最大の危機に直面した。
顧客のトヨタ離れも深刻だった。土壇場に追い詰められたトヨタ社内で、豊田社長を中心にトヨタの中核的な価値観であるトヨタウェイへの原点回帰の動きが始まる。現地現物(実際に現場に行って、見る)、人間尊重などの観点から、リコールの判断の現地への委譲、現地幹部の登用など思い切ったグローバル化に踏み出すことになる。トヨタが危機を乗り切った方法は、他の企業にも参考になる。日米同時出版。


著者について
ジェフリー・K・ライカー(Jeffrey K. Like)
ミシガン大学教授。ザ・トヨタ・ウェイ・アカデミー共同創立者・会長。著書に『ザ・トヨタウェイ 上・下』、共著書に『ザ・トヨタウェイ 実践編 上・下』、『トヨタ経営大全1人材開発 上・下』、『トヨタ経営大全2企業文化 上・下』、『トヨタ製品開発システム』(以上、日経BP社)
ティモシー・N・オグデン(Timothy N. Ogden) コミュニケーション・ファーム、ソナ・パートナーズのエグゼクティブ・パートナー。ハーバード・ビジネス・レビューなどに寄稿。