内容紹介
「1942年には、日本はその長い歴史の中で唯一の対外債務デフォルトを起こしたし、戦後インフレの際には、日本のインフレ率は最高で568%に
達した。」
「1992年から始まった日本の『失われた10年』が特異なのは、アジアを
始め多くの国の危機のようにリセッションが著しく深刻であるとか、失業率
が急上昇したということではなく、力強い回復がまったく認められなかった
ことにある。」
「だが興味深いことに日本の『失われた10年』の全体像は、本書でも示すよ
うに、金融危機前後の年に多くの国が経験したこととさしてちがわない。
民間の借り入れの大幅増と資産価格の急上昇に続いてマクロ経済の破綻と
政府債務の急拡大が起きるのは、どれもきわめて典型的な症状である」
(日本語版への序文)
「今回はちがう」シンドロームによるバブルの生成とその崩壊を契機に、
銀行危機、通貨危機、インフレ危機を経由して対外債務・対内債務のデ
フォルトを引き起こしてきたのが金融800年の歴史。
著者略歴
カーメン・M・ラインハート(Carmen M.Reinhart)
メリーランド大学教授。キューバ難民の子供。両親とカバン3つでアメリカに逃れてきた。
ベアー・スターンズのチーフ・エコノミストなどを経てコロンビア大学で研究生活に。
ロゴフとはIMFが縁で共同研究することになった。夫は元 FRB金融政策局長のビンセン
ト・ラインハート。
ケネス・S・ロゴフ (Kenneth S.Rogoff)
ハーバード大学教授。1953年生まれ。80年マサチューセッツ工科大学で経済学博
士号を取得。99年からハーバード大学経済学部教授。国際金融分野の権威。2001
~03年までIMFの経済担当顧問兼調査局長を務めた。チェスの天才。共著に
“Foundations of International Macroeconomics”など。