内容紹介
私は「自分でつくる組み合わせ」が大好きだ。 人は、バイアスがあるからこそ、自分にとって価値ある情報を選べる。これが「フレーミング」。情報の小さなピースを上手に集めて、頭の中に「自分だけの経済」をつくれば、複雑きわまりない世の中を、楽しく生きていける。 シャーロック・ホームズも、グレン・グールドも、アダム・スミスも、ウォーレン・バフェットも「フレーミング」の達人だった!? 世界を人間にとって現実的で、はっきり見定められるものにするために、人は情報食(インフォボア)になった。情報の整理や操作は、便利で楽しく、緊張と安らぎを交互にもたらしてくれる作業であり、また哲学的な深淵を探る助けにもなる。われわれが足を踏み入れつつある世界では、情報の収集や整理が、奇妙なまでの、おそろしく極端な状況にすでに達しているが、それは(たいていは)良いことである。それは人生でも最高の見返りを数多くもたらす道、自分だけの経済を剏造し、自分のための学習や娯楽を自在にコントロールするための道なのだ。 [本書より]著者について
タイラー・コーエン(Tyler Cowen) 米国ジョージ・メイソン大学の経済学教授。1962年生まれ。ハーバード大学にて博士号を取得(指導教官は2005年にノーベル経済学賞を受賞したトーマス・シェリング)。著者が運営する「Marginal Revolution(http://www.marginalrevolution.com)」は、金融危機からエスニック料理まで幅広い話題を扱う経済学ブログとして世界的に人気を博している。ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなどにもたびたび寄稿。2011年2月には、英国エコノミストによる「今後最も世界に影響を与える経済学者の1人」に選ばれた。著書に『インセンティブ --自分と世界をうまく動かす』(日経BP社)、『創造的破壊--グローバル文化経済学とコンテンツ産業』(作品社)など。 [訳者] 久保恵美子(くぼ・えみこ) 翻訳家。東京大学経済学部卒業。ノンフィクションの翻訳を主に手がける。訳書にバジョット『ロンバード街 金融市場の解説』、フリードマン、シュウォーツ『大収縮1929-1933--「米国金融史」第7章』、クラーク『10万年の世界経済史 上・下』(以上、日経BP社)、『富の独裁者』、『石油の終焉』(光文社)など。