内容紹介
Windows Azureは全く新しい発想に基づく新世代のOSです。クラウドで稼働することにより、複数インスタンスを広域に分散させたシステムを安価かつ容易に構築でき、必要な時にだけ稼働させることでコストも抑えられます。もちろん、絶対に外部に出してはならない重要データを預けることは適切ではありませんが、公開されたWebサーバーなどは稼働率を劇的に向上させられるため、非常に有用です。災害などの理由で自社のデータセンターがサービス不能に陥っても、クラウド上で広域に分散されたシステムはサービスを継続できます。しかし、このように優れた長所を持つWindows Azureにも弱点がありました。
●日本語情報が乏しい:MSDN開発情報の大多数も英語である上、ネットで情報を検索しても英語情報が圧倒的に多い。
●ストレージ関連の情報が少ない:従来のSQL Serverと互換性のあるSQLAzureを利用すると、Windows Azureストレージを利用しなくても開発できるため。
●サンプルソース不足:具体的な使い方をイメージしにくいことが多い主要APIの利用例があまり多くなく、しかもネットを検索しても旧版を前提にした違う使い方も多い。
本書は、以上のような点を補う資料として、Windows Azure SDKに含まれる4つの主要モジュールのAPIを日本語で掲載したリファレンスです。具体的には、本書の中心部分となる「第2章 リファレンス」は、次の4つのモジュールに関する仕様をまとめたものです。クラスは各DLLごとに、型をアルファベット順に、それぞれの型はメンバーの種類ごとにアルファベット順にまとめてあります。
1) Microsoft.WindowsAzure.CloudDrive.dll:ドライブ機能を提供する
2) Microsoft.WindowsAzure.Diagnostics.dll:診断機能を提供する
3) Microsoft.WindowsAzure.ServiceRuntime.dll:実行環境に関する情報を提供する
4) Microsoft.WindowsAzure.StorageClient.dll:ストレージに関する機能を提供する
また第3章では、どうプログラミングすればよいかの参考になるように、主要な機能のサンプルソースを掲載しています。