内容紹介
ソーシャルメディアの根本的なインパクトは、何より「学び」にある。本書は新しいテクノロジーに対する正しい認識を与えてくれた--。ダニエル・ピンク氏が21世紀を生きる私たちに推薦する必読書です。本書はソーシャルメディアをマーケティング手段よりも、個人が組織の中で、あるいは組織を超えて互いに学び合うための環境として捉え直すべきだと提言します。個人が互いに知をシェア(共有)することによって組織が生まれ変わり、競争力を磨いていくことができるのです。
元々、人類は社交的(ソーシャル)な生物です。私たちはほとんどの「学び」を人とのつながり、交流によって得てきました。ソーシャルメディア時代にあって、学ぶとは自分のネットワークの質を最適化することに他なりません。
本書はこれを「新しいソーシャルラーニング」と定義し、膨大な取材に基づく多くの事例とともに理論的背景から実践手法までを多角的に解説します。
たとえばCIA(米中央情報局)は複雑化する脅威に対抗するために、またメイヨー・クリニックは最高の医療を提供するために、どちらもセキュリティに気を遣う情報を扱う組織であるにもかかわらず、ソーシャルラーニングに積極的に取り組み大きな成果を上げています。ほかにもデロイト、IBM、インテル、EMC、シェブロン、ベストバイなど事例が満載です。
最終章では、イベントや会議の聴衆がツイッターで情報を交換し合う「バックチャネル」の普及と効用を説明し、ソーシャルメディアが学ぶ行為そのものを変化させていることを教えてくれます。
■著者について
トニー・ビンガム(Tony Bingham)
米国人材開発機構(ASTD:American Society for Training & Development)の社長兼CEO。ASTDは、トレーニングと人材開発にフォーカスする世界最大の非営利会員組織。世界に約160の支部を持ち、学習を通して会員企業の人材および組織のパフォーマンス改善を支援している。多年にわたるテクノロジー領域での活動によってコラボレーション関連技術に精通し、ASTDに2001年、COO兼CIOとして参加。2004年2月から現職。
マーシャ・コナー(Marcia Conner)
米調査・コンサルティング会社、アルティメーター・グループのパートナー。米バージニア大学ダーデン・ビジネス・スクールのフェロー。コラボレーション文化やワークプレイス・ラーニング、ソーシャルビジネスが専門分野。『Learning in the New Economy magazine』誌編集長、米マイクロソフトのワールドワイド・トレーニング担当シニア・マネージャ、米ピープルソフト教育部門副社長などを経て現職。
松村 太郎(まつむら・たろう)
ジャーナリスト。慶応義塾大学SFC研究所上席所員。キャスタリア(株)取締役研究責任者。モバイル技術とライフスタイルの関係について研究と執筆を続ける。特に「ソーシャルラーニング」「スマートフォン」「ノマド」に高い関心。ビジネス・ブレークスルー大学で教鞭も執る。
山脇 智志(やまわき・さとし)
キャスタリア(株)代表取締役。ニューヨーク留学後も10年にわたって米国に滞在し、メディアミックスのラジオ番組制作や、教育とデジタルコンテンツに関わる事業にかかわる。2005年に帰国し、11月にキャスタリア(株)を設立、ソーシャルラーニングの普及に取り組む。