内容紹介
内閣府出身のエコノミストが、誤解・曲解がまかり通っている韓国経済および北朝鮮経済を膨大な実データに基づいて描いた論争的経済論。
韓国経済については、「怖れるに足らず」という否定派と「学ぶべきだ」という
肯定派に二極化しているが、著者の立場は是々非々。「茶飲み話」ではない実証的な
議論のために、韓国の公表、未公表データを収集し、「真実の姿」を追究する。
農業への補償などで事前に手を打った米欧とのFTA交渉、均衡財政を守っている
健全な財政、世代間格差が少ない年金制度などを評価する一方、ソウル大学一色の
過度な受験戦争、欧州危機に翻弄されるウォンの脆弱さなどには厳しく視線を注ぐ。
北朝鮮については、データそのものが限られているなか、韓国人学者の研究を紹介し、
北朝鮮の平均寿命は「幸福の国」ブータンより長く、乳幼児死亡率もブータンより
低いといった衝撃のデータを紹介する。
手書きの図表が多数収録されている。
著者について
高安雄一(たかやす・ゆういち)大東文化大学経済学部准教授。
1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁。調査局、外務省(出向)、
国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。