内容紹介
■知らない人は損をする。知っている人は得をする。「損する人」と「得する人」の違いは、損得判断の基本原則を知っているかどうか。特にビジネスの世界では、損得判断の基本原則を知って戦うのと、損得判断の武器も持たずに闇雲に突き進むのとでは大違いです。本書は、損得判断の基本原則を平易に、しかも身近な例を使いながら解説します。損得判断のセンスを身につけてもらうのがこの本の目指すところです。
■「正しい選択」の出発点は、数字に落とし込むこと。
損得判断の基本原則に沿って「正しい選択」をするためには、数字に落とし込むことが欠かせません。どっちがどれだけ儲かるのか、簡単な計算で正解は見つかります。本書は利益を最大にする意思決に必要な情報の選び方などを解説したうえで、実践的Q&Aで実力を養成します。
■「会計思考」「割勘思考」では正解は見つからない。
著者は、早稲田大学ビジネススクールで通称「損得学」の授業を担当しています。「損得学」は、会計を学んだ人の陥りやすい「判断ミス」を防ぎます。「損得学」は前向きな意思決定をするために役立ちます。
■この本で学ぶと、次のような意思決定に強くなります
・注文がなくて困っているときに、かなりの値引きを要求する注文が届いたとしたら、この注文を受けるべきか断るべきかの判断はどうすればいいのか。
・景気が良いときの注文の取り方と、景気が悪いときの注文の取り方に相違があるか。景気が悪いときは購買価格の基準を下げられるとしたら、どこまで下げられるか。
・資材を調達するときに企業利益に最も貢献するには、どのような意思決定手順を踏んだらいいか。
・生産計画を間違えて、大量の在庫を抱えてしまった。せめて損をしないためにも製品の製造単価を計算し、在庫の製品はそれ以上の値段で売ることを検討している。そういう手順でいいか。
・不良品を作ってしまったときの損失額をどのように把握したらいいか。
・改善効果を測定するのに、どんな費用をどの範囲でとらえたらいいか。
・複数の企業が協力して獲得した収益を参加企業の間でどう分け合ったらいいか。
著者について
藤田精一(ふじた・せいいち) 1945年東京生まれ。1967年慶應義塾大学管理工学科卒業。1969年同修士課程修了。1973年米国ジョージア州立ジョージア工科大学産業システム工学科博士課程修了(工学博士)。名古屋工業大学経営工学科講師。1979年米国テネシー州立テネシー工科大学IE学科Associate Professor。1986年同教授。1990年産能大学経営情報学部教授。2003年早稲田大学アジア太平洋研究科教授。その後、早稲田大学ビジネススクール教授となり現在に至る。著書に、『経済性分析』(共著、日本規格協会)、『KAIZENマネジメント』(共著、産能大学出版部)、『Profitability Analysis』(共著、APO:アジア生産性機構)。