内容紹介

あなたは何気ない一言で若手を潰していませんか--。
「リーダーは言葉を熟慮し、駆使すべき」の信念で、ラグビー選手の指導・育成に当たり、早稲田大学、U20日本代表で成果を上げてきた筆者が、若手のやる気を引き出す言葉のかけ方を具体的に指南する。
 
日本の管理職が普段、部下に投げかけている言葉にいかに間違いが多いか。筆者はラグビーチームでの実例を引きながら、「常識のウソ」を明らかにする。
部下の心に本当に刺さる指示、助言をしたいのなら、通り一遍の言い方ではダメ。真意をわかりやすく伝え、相手を納得させ、動かすためには、より効果的な言語表現(レトリック)を常に考える必要がある--。ともすると、マイナスのイメージでとらえられることもある「レトリック」が、「今やリーダーの必修科目になった」と筆者は言う。

「最初は選手の期待に応えようと努力したが、彼らから返ってきたのは、不満の声と蔑むような舌打ちだった--」。早稲田ラグビー史上「最もオーラのない監督」と言われた筆者は、監督就任当初の苦しい胸の内を、本書でこう振り返っている。誰もが認める「カリスマ」だった前任者との埋めがたい落差。それを痛感する中で、筆者は「リーダーが正解を示さなくても、部下が自律的に動いて成果を上げる組織」「叱らずに、若手のモチベーションを高めるマネジメント」を探求していく。
本書で紹介される言葉は、そのエッセンスとも言えるものだ。「部下に気づきを与える」「成長を促す」「チーム力を高める」という3つの切り口から考え出された51のレトリック。部下育成に悩む多くのリーダー、マネジャーにとって、明日から役立つ教材になるはずだ。