内容紹介
「三国志」とは、魏・呉・蜀の三国が争覇した、三国時代の歴史を述べた歴史書。撰者は西晋の陳寿(233年 - 297年)。後世、歴史書の『三国志』やその他の
民間伝承を基として唐・宋・元の時代にかけてこれら三国時代の三国の争覇を
基とした説話が好まれ、その説話を基として明の初期に羅貫中らの手により、
『三国志演義』として成立した。
本書は曹操、関羽、張飛、劉備などの英雄豪傑を引き立てる脇役を通して、
もうひとつの「三国志」を描く試み。184年の黄巾の乱から280年の西晋の成立
までに題材を取り、第1章・張角(太平道の教祖で、黄巾の乱の首謀者)から
第50章・司馬炎(西周の初代皇帝)まで50人の群像を描いた。
【上巻】
英雄・豪傑・悪漢・女傑、現れては、また去る!
「主役」曹操・劉備らを取り巻く惑星群51人の光芒
●登場人物
張角(ちょうかく)太平道の教祖
何進(かしん)黄巾の乱の際の大将軍
孫堅(そんけん)孫策、孫権の父
董卓(とうたく)後漢朝滅亡の原因をつくった涼州の軍閥
貂蝉(ちょうせん)中国四大美人のひとり
蔡邑(さいよう)後漢を代表する学者・文人
劉虞(りゅうぐ)後漢の皇族。袁紹らが皇帝に擁立を図った
陶謙(とうけん)後漢末の群雄のひとりで、反董卓軍に参加
李催(りかく)董卓の武将。呂布を破って都を制圧
張済(ちょうさい)董卓配下の家臣
鄒娜(すうだ)董卓の部将だった張済の妻
陳宮(ちんきゅう)曹操陣営から呂布の参謀役に転じた部将
公孫さん(こうそんさん)精鋭騎兵隊「白馬義従」で知られた遼東の軍閥
袁術(えんじゅつ)袁紹のいとこで、宦官大虐殺を実行
于吉(うきつ)幅広い信者を集めた道士。孫策に殺される
袁紹(えんしょう)反董卓軍の盟主。官渡の戦いで曹操に敗れる
華佗(かた)麻酔を使った外科手術が得意な天才医師。曹操に殺される
橋姉妹(きょうしまい)絶世の美女姉妹。孫策と周喩の捕虜となった
周喩(しゅうゆ)孫権を支えた呉の策士
荀いく(じゅんいく)袁紹から曹操陣営に転じた謀将
蔡えん(さいえん)蔡邑の娘。匈奴に連れ去られ、子をもうけた
魯粛(ろしゅく)孫権の右腕。劉備との提携を策す
黄忠(こうちゅう)関羽に降服、劉備の配下になった老将
呂蒙(りょもう)関羽を破って処刑した呉の名将
甄后(しんごう)袁煕の妻だったが、曹丕が略奪して、正室に