内容紹介

「机が汚い人のほうがクリエイティブ」なのはなぜだろう?
(米ミネソタ大学Kathleen Vohs教授の研究より)

今、日本のビジネスパーソンや経営者のあいだで最も関心が高いキーワードの一つは
間違いなく「イノベーション」でしょう。イノベーションというと堅苦しく聞こえますが、
その源泉は人間の生み出す「ひらめき」に過ぎません。
では人はどうすれば「ひらめき」を効果的に生み出せるのでしょうか。
本書『ひらめきはカオスから生まれる』は、「ひらめき」を組織的に生み出すためには、
「カオス」が効果的な役割を果たすと説く、ユニークな、とても示唆に富む本です。(解説より)

■「混沌<カオス>」が組織の創造性を向上させる

本書でいうカオスとは、「ものごとが制御できない状態」というごく一般的な意味です。
決まり事ばかりで硬直化した大企業や役所などの組織に、少しのカオスをわざと導入すれば、
アイディアあふれる柔軟なチームができあがるのです!

学力テストによると日本の小学生はアメリカの小学生より成績が良いのですが、
それはアメリカの小学校にはない授業と授業の間の「休み時間」に秘密がありました。
休み時間というカオスが子供をリフレッシュさせ、授業での集中力を高めるのです。
また、アインシュタインが相対性理論を発見できたのは、大学という規律重視の組織ではなく
自分たちで気ままに研究できるサークルをつくり、自由な発想で議論できたからです

人びとに創造性をもたらすカオスとは何なのか、どうやってカオスを活用すればいいのか。
経営学のイノベーション研究や、脳科学のひらめきの研究に基づいた知識が満載。
非常に幅広い事例で、具体的に手順を学べるのが本書の魅力です。

<本書で紹介する事例>
・ペストで人口が半減した中世ヨーロッパ
・イラクやアフガニスタンで苦しむアメリカ軍
・1カ月間もの全社休みをとったシカゴのWeb企業37シグナルズ
・任天堂でゲームのヒット作を連発した宮本茂氏

<こんな状況にある方に本書はおすすめ>
・会議でアイディアを募っても出てこない。良いアイディアがあっても上層部で握り潰される
・オフィスですぐ近くにいることを知らずに社内メールでやりとりしていた
・組織の風通しが悪いと感じている
・画期的な商品を開発したいのに、これまでの延長の企画しか出ない

『世界の経営学者はいま何を考えているのか』の著者、
入山章栄氏(早稲田大学ビジネススクール准教授)による解説も収録!

著者について

オリ・ブラフマン Ori Brafman
スタンフォード大学ビジネススクールでMBAを取得。専門は組織論。イノベーションや
組織マネジメントについて、フォーチュン500企業でコンサルティングや講演を行い、
アメリカ軍の意思決定に“カオス"を導入する研修プログラムを手がける。著書に
『ヒトデはクモよりなぜ強い』(日経BP社)、『あなたはなぜ値札にダマされるのか?』(NHK出版)など。

ジューダ・ポラック Judah Pollack
UCバークレーのハースビジネススクールの常任講師。TEDxでもスピーチを行う。
リーダーシップの専門家として、グーグル、SAP、オラクル、アメリカ軍で仕事をする。

解説 入山章栄(いりやま・あきえ)
早稲田大学ビジネススクール准教授。1996年慶應義塾大学経済学部卒業。1998年同大学
大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府
機関への調査・コンサルティング業務に従事した後、2003年に同社を退社し、米ピッツ
バーグ大学経営大学院博士課程に進学。2008年に同大学院より博士号(Ph.D.)を取得。
同年よりニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタント・
プロフェッサーを経て、2013年9月より現職。専門は経営戦略論および国際経営論。
著書に『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)。

訳 金子一雄(かねこ かずお)
1954年生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。翻訳家。
訳書に『大切なことはみんなピッチで教わった』(飛鳥新社)、『あなたの人生には
使命がある』『お金で買えない「成功」と「幸福」の見つけ方』『人生の希望が見つかる
50の贈り物』(以上、PHP研究所)、『信ずる心のすすめ』(講談社)、『お茶の巡礼
』(河出書房新社)他、著書に『あなたも翻訳者になれる! 』(PHP研究所)がある。