内容紹介

 1999年、ミネアポリスの超高級ホテルに米国を代表する加工食品大手の首脳が極秘で会合を開いた。コカ・コーラ、ネスレ、ナビスコ、クラフト、ゼネラル・ミルズ。
会合の目的は、「肥満や生活習慣病の急増と加工食品」だった。砂糖、塩、油がたっぷりの加工食品が原因になっていることはあきらかで、今のうちに手を打たないと
集団訴訟のターゲットになりかねない……。
しかし、発言力の大きいゼネラル・ミルズCEOの「自分たちにそこまでの責任はない」という演説で場の空気は一変、食品業界が行動を起こすことにはつながらなかった。
それ以来、加工食品大手は、コストメリットと利益至上主義を前面に押し出し、いかに消費者をひっかけることができるかに、しのぎを削るようになっている。
その鍵となるのは、塩分、糖分、脂肪分の3つ。大手食品会社は、一流の化学者を大量に動員して、この安くて強力な成分の組み合わせで、人が快感を感じる「至福ポイント」を
刺激する食品を生みだしてきた。
 表面上は、「ヘルシー」「ローカロリー」を謳いながら、健康を度外視して売れる商品を作り続けなければならない食品企業の実態と内幕を、ピュリッツァー賞受賞記者ならではの
きめ細かい調査取材によって暴くとともに、加工食品の罠からどのように身を守れば良いかを消費者に説く。
ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー1位

マイケル モス
ニューヨーク・タイムズの敏腕記者。2010年に食肉汚染の調査報道でピューリッツァー賞を受賞。2006年にもイラク戦争の報道で、ピューリッツァー賞の最終候補になった。
ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・ニュースデイ、アトランタ・ジャーナルコンスティチューションなどを経て2000年より現職。

本間 徳子
国立豊田工業高等専門学校情報工学科卒業。医療機器メーカーで翻訳業務などを担当した後、フリーランスの医学翻訳者に。
主な翻訳書に、『生物時計はなぜリズムを刻むのか』(日経BP社、ラッセル・フォスター、レオン・クライツマン)、『神と悪魔の薬サリドマイド』(日経BP社、トレント・ステフェン、ロック・ブリンナー)がある。