内容紹介
IT技術によって、ひろく情報が行き渡り、社員は知識と発言する力を得た。企業はもはや社員を型にはめることはできない。
個々の社員の力を最大限に引き出すことが必須だ。
命令せず、強調し、違いを活かすオーケストラ型のマネージメントがリーダーの最大のスキルになる。
男性的な“強いリーダー"(α型リーダー)のもと、軍隊型のトップダウンで現場を率き、
目標達成する-。もはや、そんな一本調子な組織と人材では社員をまとめることが
できず、企業としても生き残れない。
なぜなら、インターネットの登場で広く情報が行きわたるようになり、知識を得たことで、
みな自分の権利を意識・主張するようになったからだ。
当然、これまで「主従関係」のようだった知識労働者と会社との関係も大きく変わる。
社員は支配や管理を嫌い、「自分のスキルアップにつながる」「やりがいがある」ことを
「報酬」や「肩書き」よりも求めるようになっている。
こうした社会で成功するのは、α型リーダーに代わって、新たに登場したβ型リーダーが
率いる組織だ。β型は「社員は兵士ではなく、1人1人が特有の技能を持つ貢献者」
「リーダーに最も必要な資質は『共感と気配り』」「CEOが会社で一番偉いわけではない」
「エリートはいらない」といった主旨で動く。
すでにリーダーに限らず、β型の人材と組織形態を導入し、成果を上げる例が米国では
増加中。社会は間違いなく、α型からβ型に移り変わる。本書は、動物行動・心理・社会
学などの知見を活かし、「企業人類学」という独自の切り口で、新しい組織のリーダー
シップとキャリア形成の在り方について提案する。