内容紹介

ドイツ、フランスという豊かな大国に囲まれた貧しい山国スイスは、中世には他国の戦争で活躍する傭兵が主な輸出品だった。
現代のスイスは、時計(スウォッチ、オメガ、ロレックスなど)、食品(ネスレ、リンツ)、エンジニアリング(ABB),金融(クレディ・スイス、UBS、チューリッヒ・ファイナンシャル・サービス)など
世界的な企業を多数生み出している豊かな国である。そうした変化の原因は何かをスイス企業の歴史を素材に、スイス在住の米国人ジャーナリストが書き下ろした。
秘密の一端は、起業家精神を生む地形にある。スイスでは多くの地域が孤立していて、固有の社会構造や特性を備え、教派も異なる。結果として、様々な地域で様々な製品が生み出され、それぞれが交易で結ばれてきた。
もう一つは、開放性。世界から迫害の逃れた移民らが集まり、海外へ出て行く人も多い。ドイツ生まれのハインリヒ・ネスレは世界的な食品メーカーを起業し、時計産業を発展させたのは、フランスからルイ14世の迫害を
逃れてきたユグノーだった。外で活躍したのは、リッツ・カールトンの創業者セザール・リッツ、建築家ル・コルビュジュなどがいる。