内容紹介
「難解と思われている物理学の世界を、美しく、明快に解説している」--ウォール・ストリート・ジャーナル
スティーヴン・ホーキング博士との20年以上にわたる「ブラックホール論争」で有名なサスキンド教授による物理”再入門”講義。
スタンフォード大学における社会人向け講座を書籍化。
「学部学生向けの力学の教科書とは違い、エッセンスだけを取り出して簡潔に解説しているのが特徴です。ただし必要な数式は躊躇せず使用し、決して幅広い読者を対象とするような軽い読み物という扱いにはしていません。あくまでも、量子力学や相対性理論という次のステップに進むのに必要な、力学と解析力学の最低限の理論知識を習得することが目的です。」
--訳者あとがきより
レオナルド・サスキンド Leonard Susskind
1978年よりスタンフォード大学の理論物理学の教授を務める。サンフランシスコ州パロアルト在住。ひも理論の先駆者として知られている。ニューヨークで育ち、成人してすぐの頃は父親と同じ配管工の仕事をした。シティカレッジ・オブ・ニューヨーク(CCNY)の工学部に進み、コーネル大学で理論物理学の博士号を取得。1969年、南部陽一郎と同じ時期にハドロンのひも理論に到達した。ブラックホールに吸い込まれた量子の情報は失われると主張するスティーヴン・ホーキングに対抗して、ゲラルド・トフーフトとともに情報は失われないとする論陣を張る(「ブラックホール戦争」)。トフーフトとの共同研究の成果として、ブラックホールの奇妙な相補性の原理やホログラフィック原理を見出し、理論物理学に深い影響を与えた。著書に『宇宙のランドスケープ』『ブラックホール戦争』(いずれも日経BP社)など。
ジョージ・ラボフスキー George Hrabovsky
ウィスコンシン州マディソン在住のハッカー物理学者。個人で科学を研究するコミュニティに関わり、1999年より非営利の科学技術についての研究教育組織であるMadison Area Science and Technologyの代表を務める。
森 弘之(もり ひろゆき)
首都大学東京理工学研究科物理学専攻准教授、理学博士。慶應義塾大学理工学部物理学科卒業。専門は理論物性物理学。著書に『統計物理学』(朝倉書店、共著)、訳書に『「標準模型」の宇宙』(日経BP)、『エントロピーと秩序』(日経サイエンス、共訳)、『自己組織化と進化の論理』(ちくま学芸文庫、共訳)、『冷蔵庫と宇宙』(東京電機大学出版局、共訳)などがある。