内容紹介
プログラムのソースの長さが長くなると、生産性は落ちていきます。実際に、10行のサンプルソースは一瞬で修正できますが、100万行の業務システムは
1文字直すのに何時間、下手をすると何日も要することがあります。
パラダイムシフトを通じてソースを短くできれば、それだけ飛躍的に生産性を上げられる可能性があります。
ところが、この可能性が十分に開花しているかというと、そうではありません。
例えば、機能を落とすことなくコードを短縮できる切り札となるラムダ式やLINQ は、
C# 3.0で取り入れられた機能です。そしてすでにC#は5.0に進化をしています。C# 3.0が登場しても、
なかなかそれを利用していなかった人たちが多くいました。今は改善されているとはいえ、
LINQのあるプログラミングに十分に慣れるには期間が不十分といえます。
本書は、C#でコードを短く記述するためのテクニックを解説しています。
本書では、C#のバージョンに関係なく、コードを短く書ける機能を幅広く紹介することに特化しました。
ですから、古くからある機能であっても、重要であると思えば紹介しており、逆に新しい機能を
何でも紹介しているわけではありません。
本書での基本的なスタンスは以下のとおりです。
・短いソースコードを正しいと見なす(わかりやすくするためには長くなってもよいとは見なさない。
長いとそれだけでわかりやすさを損なうからである)
・短さは主にパラダイムの変革で実現する(改行や空白文字を削るわけではない)
・旧世代のソース(OLD CODE)と新世代のソース(NEW CODE)の対比として、短さを可視化する
(どのページから開いても短さが実感できる)
・OLD CODEは10年前、C#誕生前後の常識に従って記述したコードとする。
ただし、コレクションとしてC# 2.0以降でサポートされたジェネリック版を使用するなど、
本質と関係ない古すぎる機能は新しい世代の機能で置き換えている場合がある
(OLD CODE、NEW CODE共に発想が違うだけで、どちらもC# 5.0で動作する)
・比較対象によっては、より新しい版のコードをOLD CODEとする場合がある