内容紹介

スマートフォン/タブレット用のアーキテクチャとしては、現在iOS、Android、Windowsという大きく3つのプラットフォームが市場を形成しています。本来それぞれのネイティブアプリの開発には、それぞれ個別の開発言語を必要とします(iOSではObjective-C、AndroidではJava)。しかし同一のアプリをそれぞれのプラットフォーム用に個別の言語で開発していたのでは、開発期間がかかってしまいます。共通化する開発手法としてはHTMLで記述することも考えられますが、ネイティブアプリではないために、実行にもたつきがあり、また各プラットフォームのAPIの機能をフルに使えないという欠点があります。
 Xamarinはクロスプラットフォーム開発の流れを変える可能性を秘めた1つの手法で、C#でiOS とAndroidの両方のネイティブアプリ開発を可能にする、Visual Studioのアドインソフトです。もともとC#でWindowsアプリ開発は可能であるので、C#という言語を1つ習得しておくだけで、Windowsも含めた3種のプラットフォームに対応できることになります。本書はC#開発者の関心を集めるXamarinを使って、どうやってマルチプラットフォームのネイティブアプリを開発するかという流れを解説します。
 対象読者はC#である程度のプログラミングが可能な中級者以上で、ゲームアプリのサンプルコードをベースに説明します。Xamarinを使って、ロジック部分を共通化しますが、固有のUI部分はそれぞれで作り分ける方針で解説していきます。ちなみに米Microsoftと米Xmarinは2013年11月にグローバルパートナーシップを締結しています。