内容紹介
現実味を帯びてきた火星有人探査・移住プロジェクトの全容を美しい写真・イラストとともに解説。「火星に住む」というSF世界の夢物語が、今や“現実”に近づいています。
米航空宇宙局(NASA)をはじめ、世界各国の宇宙開発機関、民間企業が、火星有人探査に向けた具体的な計画を進めているのです。
米スペースX社のイーロン・マスクCEOは、2024年にも火星への有人ミッションを開始すると発表しています。
さらにその後、1000を超す宇宙船を運航させ、40年~100年で100万人を火星に移住させる構想まで明らかにし、世界を驚かせました。
人類は火星に行けるのか?
火星に住むことはできるのか?
火星に生命は存在するのか?
火星で生まれた子どもたちの将来はどうなるのか?
そんな数々の疑問に答えるべく、本書では多数の関係者や専門家に取材。
火星移住計画の詳細、課題、将来に向けたビジョンを明らかにしています。
探査機が撮影した火星の美しい風景、開発が進む新型ロケット、検討されている火星基地の想像図などを約200点収録。
これらを眺めるにつけ、近い未来に実現される“人類の偉大な飛躍”に、ワクワクさせられることでしょう。
【目次】
◆第1章 人類の偉大な飛躍
火星への到達は人類初の挑戦だ。突入、降下、着陸を成功させて無事に火星の地表に降り立てば、人類はかつて誰も「ふるさと」と呼んだことのない地にたどり着いたことになる。
最初のハードル
着陸地点はどこに
生き延びるために
豊富な資源を持つ惑星
至るところに水はあれども
火星にとどまる
HEROS<探査を支える立役者>「火星への旅を後押し」
NASAジョン・C.ステニス宇宙センター エアロジェット・ロケットダイン
MRP(資材所要量計画)責任者 ジャニーヌ・クエバス氏
HEROS<探査を支える立役者>「火星着陸の達人」
NASAジェット推進研究所 火星計画担当局 火星技術責任者 ロブ・マニング氏
◆第2章 心の問題
人間が別の惑星で暮らすことになると身体の負担も大きいが、精神的ストレスを感じたり、心の問題を抱えることも多くなるだろう。
閉鎖空間での隔絶
未来への足がかり
厳しい現実
模擬火星実験
一番の武器
健全な心と体
クルーの仕事
火星に似た場所
HEROS<探査を支える立役者>「地球が見えなくなるとき」
カリフォルニア大学 サンフランシスコ校 心理学部 名誉教授 ニック・カナス氏
HEROS<探査を支える立役者>「双子が科学にもたらすメリット」
NASA宇宙飛行士/技術者 マーク・ケリー氏、スコット・ケリー氏
HEROS<探査を支える立役者>「宇宙社会的現象」
宇宙社会学研究機関CEO ジム・パス氏
◆第3章 火星基地
火星の住まいに求められる条件は多い。温度差が非常に激しく、水はほとんどなく、浴びれば死につながりかねない放射線が常に降り注ぐ。そんな異例ずくめの環境に対応できなければならない。
定住地を探す
探査用ロボット
快適な生活
豊富な資源
ビジョンのある設計
火星との一体化
HEROS<探査を支える立役者>「火星探査の青写真」
エアロスペース・コーポレーション 宇宙システム設計者 ブレット・ドレイク氏
HEROS<探査を支える立役者>「地球上で最も火星に近い場所」
NASAエイムズ研究センター 火星研究所 ホートン火星プロジェクト責任者 パスカル・リー氏
◆第4章 生命のしるし
あらゆる火星探査計画の中心にある謎はただ一つだ。火星に生命はいるのか、あるいはかつて存在したことはあるのか?
過塩素酸塩の問題
微生物の問題
地下を探る
水のある場所
地球の極限環境微生物
貴重な水
緑を育てる
HEROS<探査を支える立役者>「洞窟の探検家」
NASA宇宙生物学研究所(NAI) 所長 ペネロペ・ボストン氏
HEROS<探査を支える立役者>「太陽系を守る」
NASA惑星保護局 惑星保護担当官 キャサリン・コンリー氏
HEROS<探査を支える立役者>「火星のアンダーグラウンド」
NASAエイムズ研究センター 宇宙科学部門 惑星科学者 クリス・マッケイ氏
◆第5章 世界が見つめる未来
火星に人類が到達すれば、人間は複数の惑星に存在する生物種となる。火星の地で私たちは、国境の垣根を超えられるだろうか。それとも火星でも、地球上と同じ熾烈な争いが繰り広げられるのだろうか?
目的地は火星
月面の“村”
深宇宙への出発点
未知の世界へ
民間が取り組むミッション
火星を目指す男
宇宙飛行士を夢見て
HEROS<探査を支える立役者>「宇宙政策を考える」
ジョージ・ワシントン大学 宇宙政策研究所 名誉教授 ジョン・ログスドン氏
HEROS<探査を支える立役者>「宇宙に政治を」
スペース・アンド・テクノロジー・ポリシー・グループ社長
スペースポリシーオンライン・ドット・コム・編集長 マルシア・スミス氏
◆第6章 マーズランド
火星で生まれた子どもたちは他の場所、他の生き方を知らない。そのような人々はまったく違った問題を抱えることになるだろう。しかし、だからといって人間の本質が変わることはない。
火星丸ごと大改造
公園の散歩
価値観を一変させる力
スリルを求めて
私たちは火星人
HEROS<探査を支える立役者>「酸素を生み出す」
テクショット社 研究主任 ユージン・ボランド氏
HEROS<探査を支える立役者>「火星を我らの手に!」
元宇宙飛行士 宇宙探査の旗振り役 バズ・オルドリン氏
◆年表 世界の火星ミッション