内容紹介
メンバーの実力を120%引き出す秘訣はリーダーの“無知”にあった!
オーケストラの前に立つ指揮者は、まさにリーダーシップとは何かを象徴する存在だ。真の巨匠は楽団員に正しい協業を促し、最高の演奏につなげるために何をしているのか。指揮者の仕事が演奏者に楽譜どおりに演奏させることだと思ったら大間違いである。
著者イタイ・タルガムは世界中のオーケストラを指揮するのに加えて、大小さまざまな企業、そしてフォーチュン500企業のCEOからベンチャー起業家まで、多くの聴衆の「指揮者」を務めてきた。指揮台での長年の経験を踏まえて、音楽家以外の人々に指揮とは実際にどのようなものなのか、そして指揮者の技術があらゆる分野のリーダーにどのように役立つかを教えてくれる。
本書を理解するのにクラシック音楽ファンである必要はまったくない。なぜなら音楽はあらゆるところに満ちており、あなたもすでによく接しているからだ。おそらく日々の現実を音楽という視点で見ていないだけだろう。本書を読んでいくうちにそれもまもなく変わっていくだろう。
本書に登場する巨匠
カラヤン、バーンスタイン、クライバー、
ムーディ、トスカニーニ、R・シュトラウス──
本書のメッセージはあなたに思いがけない視点の変化をもたらすかもしれない。まるで音楽を聴くかのように、周囲の人々や仕事など自らを取り巻く世界に耳を傾け、流れの中にパターンを見いだすようになるかもしれない。不合理に、場合によってはとんでもなく愚かに思えるようなアイデアが出てくるかもしれない。たとえば本書のタイトルにもあるように、あえて無知であることを選ぶといったことだ。
無知という資質を職場でさらけ出すなどというのは、とんでもないことに思えるかもしれない。階段から突き落とされ、会社から放り出されるんじゃないかと。だがちょっと我慢してお付き合いいただきたい。そうすれば無知を選ぶことが、むしろさらなる高みへとつながる道だとわかるはずだ。そして傑出したリーダーは無知の大切さを知っているだけでなく、それが配下の人々を未知なる高みへといざなうために自らが選ぶべき道だとわきまえている、ということが理解できるはずだ。