内容紹介

「オープンな組織(オープン・オーガニゼーション)」をいかに運営して成果を上げるかを、オープンソースのリーディングカンパニーであるレッドハットの実践事例に基づいて解き明かした本。
 オープンな組織とは、社内・社外を問わず、参加型コミュニティと協力関係を結ぶことができる開かれた組織のことである。

 従来の「ピラミッド型の階層組織」おける上意下達の意思疎通では、めまぐるしく変化する環境で発生するさまざまな課題を解決することは困難になっている。急激に変化する市場で競争で勝ち抜くにはスピードと柔軟性を備えた、「社内外にまたがったオープンな組織」でなかればならない。では、こうした組織とは、どのような姿なのだろうか。

 57四半期連続で最高益を更新し続けている「驚きの経営手法」を、CEO自らが解き明かしたのが本書である。真のコラボレーション(協働)のあり方をすでに体現した企業のマネジメント手法を解説する。


●序文から抜粋
 ジムの本が実にタイムリーなのは、レッドハットがこれらのポスト官僚主義的特質の多くをすでに体現しているからだ。それゆえ、読者は本書を通じて、レッドハットからだけではなく、「オープン・オーガニゼーション(オープンな組織)」の効果を論証する実例としてジムが取り上げた他の組織からも、多くを学ぶことができる。
 今日、レッドハットに力を与えている原則を取り入れる企業が増えているが、いまだに多くの組織はそれが抱える人的能力の多くを無駄にしている。あなたの組織は、いつまでそんなことをしている余裕があるだろうか。思うほど長くはないはずだ。躊躇することはない。すぐに始めよう。


ゲイリー・ハメル
ロンドン・ビジネス・スクール客員教授

●目次

序文

第1章 なぜいまオープンな組織が重要なのか


第1部 WHY モチベーションと情熱

 第2章 情熱に火をつける
 第3章 主体的な参加を実現する


第2部 HOW 業務の遂行

 第4章 民主主義より実力主義を選ぶ
 第5章 議論を巻き起こす


第3部 WHAT 意思決定

 第6章 意思決定に社員を巻き込む
 第7章 触媒役として方向性を導く

エピローグ 旅の途中で
いかにしてレッドハットは無償のソフトウェアを販売して数十億ドルを稼いでいるのか
謝辞