内容紹介
Microsoft Project(以下「Project」)は、ExcelなどのOffice製品と異なり、プロジェクトマネジメント(PM)の考え方に基づいて設計されています。そのため、PMの考え方を理解しないまま、Excelの延長線上でProjectを使ってしまうと、Projectの長所が活かせないまま挫折してしまうことになりがちです。本書は実際のPMの流れに沿ったケーススタディでProjectの使い方を解説することで、Excelが及ばないProjectの真価を理解できるように構成されています。バージョン2016/2013/2010に対応。本書は次の3つの部から構成されています。
●第1部 導入編(第1章~第2章)
初めてProjectを使う方は、導入編から読むことをお勧めします。「第1章 Microsoft Projectの概要」では、ツールの成り立ちとProjectを使うメリット、さらに基本的な製品構成、バージョンによる違いなどが理解できます。「第2章 プロジェクト計画の作成ステップを体験する」では、Projectを使う際の基本の流れを知り、実際にシンプルなプロジェクト計画を作成することで、初めて使う方でもProjectの基本的な使い方がすぐに理解できます。
●第2部 基本編(第3章~第7章)
基本編では、「Project活用の7ステップ」の流れに沿って、プロジェクト計画の作成から進捗管理、さらにレポートの作成までを、ステップバイステップで体験することで身に付けます。実践的なサンプルプロジェクトを使い、実際にプロジェクトマネジメントで遭遇するような場面で、Projectをどのように活用すればいいのかを理解できます。
●第3部 活用編(第8章~第10章)
活用編では、Projectを実践的に使用するにあたって遭遇する、さまざまなニーズや課題を解決する方法を紹介します。現在Projectを使用していて、さらに使いこなしたい方には活用編が役立つでしょう。
第8章と第9章では、PMBOK(a guide to the Project Management Body of Knowledge、PMI発行)の「プロジェクトマネジメントの5つのプロセス群」ごとに、よくある具体的なニーズをProjectの機能を使用してどのように実現するかを、ケーススタディとして取り上げます。第10章では、第8章と第9章のケーススタディには収まらないカスタマイズのニーズを扱います。
・第8章のケーススタディ例
プロジェクトの予算を設定する/プロジェクト横断でリソースを共有する/タスクに固有のWBSコードを設定する/プロジェクトカレンダーとは異なる稼働が必要なタスクを設定する/トップダウンでのプランニングと段階的詳細化を行う/アジャイル的要素を取り入れる/CCPMの要素を取り入れる/複数のプロジェクトにリソースのマンパワーを振り分ける/リソースの平準化機能を使用する/ など
・第9章のケーススタディ例
チームメンバーの作業を実績として反映する/超過作業時間を設定する/アーンドバリューで出来高を把握する/進捗状況をひと目で確認できる信号機マークを表示する/プロジェクトの基準計画の変更と表示の切り替え/不要になったタスクを無効にする/クリティカルパスが不連続になる場合の対処法/スケジュールの遅れに対処する/タスクのスケジュールの決定要因を調べる/ など
・第10章のカスタマイズニーズ例
サマリータスクにサブタスクを重ね合わせて表示する/フラグでバーの表示を変更する/アウトラインコードフィールドを使用して組織構造を定義する/アウトラインコードフィールドを使用してWBSコードを定義する/アウトラインコードフィールドを使用してリソースの職種を定義する/出来高を管理する数値フィールドを定義する/ など