内容紹介
人類が犯してきた失敗の数々をアダムとイブまでさかのぼって検証した書。聡明で経験豊かなリーダーたちは、なぜ判断を間違えたのか。人類の歴史は「失敗の歴史」ともいえる。しかもその失敗の多くは、優秀で善意に満ちた人々が、肝心なときに大事な判断を誤ったために引き起こされている。少なからぬ人々が二者択一の選択問題を間違えてしまったのだが、これらの判断の多くは、そのときには一番良い考えに思えたものばかりである。
一方、とてつもなく愚かな判断が下されたことがあるのも事実であり、本書には、人類が犯した愚の骨頂とも言うべき失敗の数々が取り上げられている。それらは罪のないうっかりミスなどではすまされない。たくさんの人命や人々の暮らしを損なったり、国や王朝を滅ぼすような高い代償を払う結果をもたらした、実に愚かなヘマである。後世に負の影響を及ぼした致命的な誤算である。
本書は人類の犯してきた数々の失敗を47話にまとめて収録、それぞれの出来事の背景、判断を誤った原因、失敗の影響などを分析している。カラーの図版、イラスト、写真を豊富に使い、神話時代から現代まで続く人類の失敗の歴史を軽妙な文章で綴っている。
【目次】
・アダムとイブ、禁断の木の実を口にする
・ハンニバル、軍勢を率いてアルプスを越える
・クレオパトラ、アントニウスと手を結ぶ
・モンテスマ2世、スペイン人侵略者を歓迎する
・オースティン、オーストラリアにウサギを放つ
・チャーチルの描いた国境線、今日まで中東紛争の火種に
・20世紀最悪の暴君スターリンと大粛清
・ソ連、チェルノブイリで軽率に試験を行う
・CIA、ムジャーヒディーンに武器を提供する
・宝石商ラトナー、うっかり商売の秘密を暴露
・津波観測センサ、インド洋に設置されず
ほか、計47話
【訂正】
163ページの地図に誤りがございました。正しい地図はこちらに掲載しております。お詫びして訂正いたします。
【著者紹介】ステファン・ウェイア(STEPHEN WEIR)
米国ニューヨーク在住のノンフィクション作家。出版人としての経歴が豊かで、オーストラリアのノーベル文学賞受賞者パトリック・ホワイトや、英国の軍事歴史家ジョン・キーガンらの出版をサポートしている。富豪のジョージ・ソロスとも親交がある。