内容紹介
冷戦時代に、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作っていた! いまだ秘されたままの地図の制作過程と意図を読み解いていく。日本版には特別に、ソ連製地図の東京(1966年版)を抜粋収録!
「不気味なまでに精密な秘密地図。本書はその実態を初めて明らかにした!」小泉悠(ロシア軍事評論家)
ロシアではソ連時代に作られたある地図がいまだ機密扱いとなっている。かつて鉄のカーテンが東西を遮っていたなか、ソ連はとてつもなく詳細な世界地図を作成していた。 どのように情報を手に入れ、検証し、作図したのか、口を開く関係者は現在にいたっても一人もいない。ソ連崩壊のどさくさでたまたま世に漏れた一部の地図をもとに、ソ連が世界地図を制作した過程を、ミステリー小説のようにスリリングに暴いていく。 また、充実した付記では、ソ連製の主要各都市の市街図、地図を読み解くための記号やルールなどを収録。本書をもとにソ連の地図を読み解く楽しさも味わえる。 カラー図版約300点。
【目次】
序文 ジェームズ・ライゼン
本書の読み方
はじめにーー本書が推理小説である理由
第一章 戦争と平和
物語の背景ーーナポレオンのロシア遠征からソビエト連邦の崩壊まで
第二章 世界を紙に描きだす
ソ連がつくった世界地図の様式・内容・記号
第三章 策略と計画
表に裏にうかがえる地図作成者の工夫
第四章 復活
ソ連崩壊後の地図発見とその重要性
付記1 主要都市地図
付記2 市街図の「基本情報(SPRAVKA)」には何が書いてあったか
付記3 地形図の「基本情報」には何が書いてあったか
付記4 記号と注解
付記5 用語と略語
付記6 印刷コード
付記7 秘密保守と管理
日本版特別付記 ソ連製東京地図(1966年)