内容紹介
国連が持続可能な開発目標(SDGs)を定めた2030 年の世界と日本はどうなるのか? 開発経済学の泰斗が近未来シナリオを描く。おすすめポイント
○本書は2030年に世界と日本がどうなるかを探る未来論。未来論とは、「私たちの社会が、一定の期間ののちにたどり得る未来についてのイメージを提出することにより、私たちの現在の行動に影響を与えようとする議論」である。
○国連は2015年総会で、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択、貧困や飢餓の軽減、エネルギー、気候変動、平和で非暴力的な社会等17の目標(SDGs)を立てた。
これは国際協調のビジョンであるとともに、2030年に向けた各国の具体的な政策指針でもある。
ESG投資に現れているように、民間でもビジネスや投資のガイドラインとなっている。
○本書はまず、人口、食糧、環境、資源、エネルギーなどの公的予測を踏まえたうえで、世界ガバナンスの4つのシナリオを提示する。
1 ナショナリズムが強まり、国家同士の対立が激化
2 グローバリゼーションがさらに加速
3 地域主義が強まり、新たなガバナンスとして浮上
4 超大国の元に合従連衡の再編が起き、いくつかの超大国グループが対峙――である。
○いずれのシナリオも、世界が抱える問題を解決する方向には進んでおらず、むしろ危機が深まる悲壮な未来である。
○本書ではこれらシナリオを変え得るアクターとして、国家、企業、地域コミュニティ、個人の役割を考察、そこからいかなる世界秩序の方向があるかを議論していく。
日本の未来も2030アジェンダ等、グローバルな未来の動向にかかっている。