内容紹介

病院や薬局の明細書には何が書かれているのか?
生活習慣病の医療費は、なぜ同じ症状、同じ年齢で3倍~5倍も異なるのか。
毎月通院する患者と3カ月に一度しか通院しない患者で、治療成績に差はあるか? 25年間、61万人、1350万回の電子カルテの統計分析から、日本の医療費と医療サービスの実態を明らかにする。


○私たちが消費者として購入している医療サービスの価格は、どのように形成されているのか、私たちが支払っている医療費に見合うだけの受益を得られているのか? 本書は生活習慣病患者の膨大なカルテデータを統計解析した研究をもとに、医療費の実態を一般読者向けにまとめるもの。

○高血圧、糖尿病、脂質異常症は、以前は三大成人病、今では生活習慣病と呼ばれ、日本の医療費の1割強を占める。生活習慣病はガンのようにすぐに死に至る病ではない。初期には自覚症状がなく、医者に薦められるまま長期にわたって薬を飲み、受診を繰り返すことになる。本書の分析は25年間、のべ61万患者、1350万受診の電子カルテのビッグデータをもとにしており、これだけの規模の分析は国内では例がない。

○本書の研究で見えてきたのは、(1)高い薬を使っても安い薬を使っても、治療の効果は変わらない、(2)数多く受診しても必ずしも病気は改善しない、だった。すなわち、日本の医療には市場機能がまともに働いておらず、医療費が無駄に費やされていることを実証する結果となった。

○この医療費の無駄を省き、効率的に配分できれば、患者や保険組合、国の財政、場合によっては医師をはじめ医療従事者への配分を増やすことも可能になる。そのためには保険者である健康保険組合と患者の選択と行動がカギとなる。本書はその一助となるものである。