内容紹介

 「こうなったらいいな」という将来への思いを実現すること、それがプロジェクトです。製品やサービスの開発、新市場への進出といった仕事はもちろん、趣味、社会貢献、さらには人生そのものもプロジェクトと言えます。人は誰でもプロジェクトを生きているのです。
 先行き不透明な世界の中で、ありたい姿を描き、その実現を目指して多くの人と一緒に取り組み、人々の思いを受けとめ、困難を乗り越え、要所で決断し、責任をとる。これがプロジェクトマネジャーの役割です。肩書の話ではなく、たとえ新入社員であっても、こうした役割を担えます。AIは優れた答えを出せますが責任を引き受けられないのでプロジェクトマネジャーにはなれません。
 プロジェクトを成功させるカギは意思決定と思考力です。様々な事象や情報の関連と本質を見抜く思考があってこそ、質の高い決断ができます。
 プロジェクトを通じて自分の姿勢を問い、未来を選び取るすべての人へ向けて、成功につながる意思決定、求められる思考力、それらを見につけるセルフトレーニング、交渉・企画・先読みの具体策を伝えます。

■成功に必須の三つの力
 三つの力に焦点を当てます。
交渉力:他者と折り合いをつけ協調に導く
企画力:未来のありたい姿を描く
先見力:不確実性に向き合い変化に即応する
 三つが結びつくことでプロジェクトは動き出し、人や組織、社会に価値をもたらします。

■意思決定の質を高める
 三つの力を支えるのが意思決定の質です。プロジェクトマネジャーは日々さまざまな迷いに直面します。「どこから手をつけるべきか」「前例のない意見に耳を傾けるべきか」「この選択は本当に未来につながるのか」など。こうした教科書に載っていない問いに答えるための意思決定フレームを提案します。

■視座を上げ、立体的に考える
 質の高い意思決定を下すには、高い視座から全体の構造を捉える思考が不可欠です。それによって人々が「そのゴールは自分にも価値がある」と身を乗り出す未来を提示できたとき、協力が得られ、創造の力が最大になります。

■思考のセルフトレーニング
 立体的に考えるためのセルフトレーニングを16種類用意しました。「これならできそう」と思えるものを選び、やってみましょう。あなたに最適のトレーニング計画を生成AIに立ててもらうやり方も紹介します。

■最新知識体系の解説
 プロジェクトマネジャーの知識をまとめたPMBOK®ガイドの第8版の特徴を解説します。第8版で最も重要なのは価値を生む意思決定のあり方を示したことです。

■交渉力・企画力・先見力の実践
 三つの力を実際のプロジェクトで発揮するための具体策とそれを支えるツールを提示します。

目次

第1章  プロジェクトマネジメントを成功させよう
1 プロジェクトマネジメントと「意思決定」
2 プロジェクトの「成功の定義」
3 プロジェクトチャーターをつくろう
4 プロジェクト成功の氷山モデル
【キーコンセプト】「M.O.R.E.」の4つの視点と思考力

第2章  意思決定の質を高める
1 「プロジェクト成功の氷山モデル」の背景
2 成功への確信
3 インテグリティ(Integrity)を問う
【キーコンセプト】インテグリティ(Integrity)とインティマシー(Intimacy)
4 質の高い意思決定をつくる実践フレーム ― 知識と実践のギャップを埋める
【キーコンセプト】バイアスに揺さぶられる意思決定

第3章  立体的に思考しよう
1 プロジェクトマネジメントの実践に欠かせない3つの力
2 プロジェクトマネジメントの実践力を自己診断する
3 立体的な思考とは何か
4 交渉は「立体思考」で成功する
5 「すべり台アプローチ」のケース事例
6 「すべり台アプローチ」の自己診断ケース
7 立体思考と「ピラミッド交渉力」
8 「ピラミッド交渉力」の3つのアプローチ
【キーコンセプト】「共感」のポイントの見つけ方

第4章  セルフトレーニングで思考を鍛えよう
1 立体的な思考をトレーニングする
2 生成AIをパーソナルトレーナーにする
【キーコンセプト】MQマネジメント思考指数

第5章  プロジェクトマネジメントの方法論を知ろう
1 プロジェクトマネジメントとプロジェクト管理の違いは何か
2 世界標準のプロジェクトマネジメントを知る
【キーコンセプト】ガバナンスの二層構造 ― 信頼を設計するマネジメントの新しい軸

第6章  プロジェクトマネジメントで実践する
1 ステークホルダー分析とコミュニケーション戦略マップ
2 SWOT分析とプロジェクト戦略マップ
3 アサンプション確認シート
【キーコンセプト】アサンプションとリスクの二つの見方