2026年9月、作家の柚木麻子さん、朝井リョウさん、タレントのでか美ちゃんさんによる書籍『 柚木麻子・朝井リョウ・でか美ちゃんの宇宙のどこにも見当たらないようなハロプロの話を50万字しよう 』(シーディージャーナル)が発売されます。同書は、音楽雑誌『CDジャーナル』で2015年から10年以上続く連載を書籍化したものです。
 3人は「柚木麻子with Journal2」というユニット名で、ライブ活動もされています。でか美ちゃんさん主催フェスでのパフォーマンスに向けた練習に力が入る都内某所のダンススタジオで、詳しいお話を聞きました。鼎談(ていだん)の締めくくりは、「ブックスワップ」。海外では友人同士のちょっとした習慣として知られる、読んだ本を贈り合うアクティビティーです。お互いの人となりや悩みを知り尽くした3人だからこその、ちょっとひねりの効いた選書と、そこに込めた思いを語り合っていただきました。

3人は、「柚木麻子with Journal2」というユニット名で活動している。右から朝井リョウさん、柚木麻子さん、でか美ちゃんさん
3人は、「柚木麻子with Journal2」というユニット名で活動している。右から朝井リョウさん、柚木麻子さん、でか美ちゃんさん
画像のクリックで拡大表示

from柚木麻子 → to朝井リョウ 構造を解像度高く理解したい人への1冊

柚木麻子(以下、柚木):私が朝井さんに選んだのは、有吉佐和子さんの『 非色 』。有吉さんって、亡くなって何年も経つのに定期的にSNSで超バズるんだよね。『非色』は、差別されている側の人が、場所が変わると差別する側になっちゃうっていう話で。

写真は柚木さん所有の新潮社版『非色』、本文中の書籍リンクは購入可能な河出文庫のもの
写真は柚木さん所有の新潮社版『非色』、本文中の書籍リンクは購入可能な河出文庫のもの
画像のクリックで拡大表示
『非色』(有吉佐和子著)
1964年刊行。戦後の日本で黒人兵と結婚した笑子が、幼い娘を連れてニューヨークへ渡り、人種と貧困が幾重にも絡み合う差別の現実と向き合いながら、たくましく生き抜いていく姿を描いた長編小説。著者自身のニューヨーク留学経験がもとになっている、有吉佐和子の代表作の一つ。

 舞台は戦後の日本で、ヒロインの笑子(えみこ)はGHQで働くうちに、日本を占領するアメリカ軍の黒人兵士と恋に落ちるんです。最初は親も応援していたんだよ。でも、黒人との間に子どもができたとたん、親は急に反対し始めてしまう。戦後の混乱が落ち着いてくるにつれて、世間の目も厳しくなっていくんだよね。

 それで、笑子はアメリカへ渡ることを決意するんだけど、ニューヨークに着いた瞬間、日本にいたときはあんなに輝いて見えた彼が、貧困地域で低賃金労働をしながら、無気力に暮らしている現実を目の当たりにする。笑子自身も、ニューヨークでなんとか仕事を見つけるも、今度は女性差別にあうんだけど、それでもたくましく働きながら、生き抜いていく話なんです。

「選集の1冊だから、この本自体はあげられないけどぜひ読んでほしい」と語る柚木さん
「選集の1冊だから、この本自体はあげられないけどぜひ読んでほしい」と語る柚木さん
画像のクリックで拡大表示

柚木:さらに、黒人との間に生まれた子どもたちを大事に育てて、良い教育を受けさせようと必死になるんです。すると今度は、無学な黒人のおじさんが家に転がり込んでくる。そうしたら、知識を身につけた子どもが、そのおじさんを露骨に見下し始めるんですよ。「私たちは黒人だけど教育を受けている。でも、この人は何もできない」って。大事に育てた娘が、はっきりパワハラをしているんです。

 差別されてきたはずの人が、今度は別の誰かを見下してしまう。その構造を主人公が目の当たりにしていって、最後には「楽園なんてどこにもなくて、社会構造がある限り差別は生まれ続ける」ってことに気づくんだよね。

 実は有吉さん自身も、この作品を書く前にニューヨークへ留学していて、そのときに見た景色がそのまま反映されているんだと思う。だから差別用語も容赦なく出てくるし、今の感覚だと荒削りに見える部分もあるんだけど、それゆえの迫力がある。朝井さんって、そういう差別構造の解像度が高い作品、好きだよね。

朝井リョウ(以下、朝井):好きです。推薦がうますぎてめっちゃくちゃ読みたくなった! 最近すごく印象的だった『 消失 』(パーシヴァル・エヴェレット著、雨海弘美訳、集英社)にも通じる部分がありそうで、ぜひ併せて読んでみたい。

from朝井リョウ → to 柚木麻子・でか美ちゃん 2人におすすめしたい本

朝井:私は、一応まずは柚木さん宛なんだけど、でか美さんにもおすすめしたい本が2冊あって。一つめは、ナオミ・クラインの『 ドッペルゲンガー:鏡の世界への旅 』(幾島幸子訳、岩波書店)っていうノンフィクション。

 彼女は左派のフェミニストなんですね。長らく気候変動と資本主義に問題提起をしてきた人。それが、同じ「ナオミ」という名前の、もともとは近い分野で発信をしていた右派の論客と、主にSNS上で混同されるようになっちゃうんです。それでナオミ・クラインが、「もう一人のナオミ」がどういう変遷を辿って今のポジションにいるのか、その足取りをたどっていくっていう内容で。

画像のクリックで拡大表示
ドッペルゲンガー:鏡の世界への旅 』(ナオミ・クライン著、幾島幸子訳、岩波書店)
気候変動と資本主義をずっと批判してきた著者が、同姓同名で正反対の思想を持つ女性とSNS上で度々混同され続けた体験から出発し、陰謀論や分断がなぜこれほど人を惹きつけてしまうのかを、自らの足取りをたどりながら考察するノンフィクション。

朝井:フィクションさながらの構成ですごく読みやすいの。学生時代、ナオミ・クライン自身も、実はその「もう一人のナオミ」の話を聞きに行っていたことがあったり。そのときは“憧れの人”だったんですよ。そんな「もう一人のナオミ」がどう変化していったのか。

 それと並行して、当時、ナオミ・クラインの夫が選挙に出馬していた話も出てくるんです。一軒一軒家を回って、ナオミ・クラインと同様、左派として公約を説明するんだけど、そこで想像以上に強い反発や恨み言をぶつけられるの。その経験を通して、「もう一人のナオミ」の主張には頷けなくても、そこに確実に存在する“人を惹きつける力”を見出していくんですね。今って、一つの表現で「ハイこの言葉遣いをする人はNG」ってシャットアウトしてしまうことが、自分も含めて多いと思うんです。でも、違う意見の人ほど細やかに見つめてみるべきなんじゃないかっていう、そういうことをすごく考えさせられる本です。

柚木:すっごい面白そう。

朝井:もう一つは、伊藤昌亮さんの『 曖昧な弱者の時代 』(岩波書店)という新書。この本では、「明白な弱者」と「曖昧な弱者」っていう表現が使われているのね。明白な弱者は、制度からこぼれ落ちてしまった人たち。曖昧な弱者っていうのは、制度からはこぼれ落ちていないけど、例えば経済的に困窮していたりする人たち。

画像のクリックで拡大表示
曖昧な弱者の時代 』(伊藤昌亮著、岩波書店)
制度からこぼれ落ちてしまった「明白な弱者」と、そこからはこぼれていないが経済的に困窮している「曖昧な弱者」。本来なら手を取り合うべきはずの両者が、なぜ対立し合ってしまうのか。その構造を、様々な社会現象から丁寧にひも解いていく新書。

朝井:まずは明白な弱者をすくい上げる制度を整える必要があっても、それに着手しようとすると、曖昧な弱者に当てはまる人々が、明白な弱者を「優遇されている」って攻撃してしまう。

 本当は、曖昧な弱者と明白な弱者が結託して、「制度からの欠落もあるし、制度の有無を問わない困窮もある」というふうに一緒に問題提起できれば問題点が大きく見えて、説得力も増すはずなのに、どうしても曖昧な弱者側が明白な弱者側を「ずるい」と攻撃してしまう構造が出来上がっている。その内実を、いろんな現象をひも解きながら探る本です。さっきの『ドッペルゲンガー』とセットで読むと、響き合うところが多くて、すごく面白かったの。

from 朝井リョウ → toでか美ちゃん パンクなでか美ちゃんに読んでほしい

朝井:でね、今回、本を選んでいるときに、でか美さんって実はすごくパンクな人なんだよなって思い出して。

「でか美さんは、パンクな人だよね」と朝井さん
「でか美さんは、パンクな人だよね」と朝井さん
画像のクリックで拡大表示

柚木:私も、そう思います。

朝井:柚木さんもよく言ってるよね。そんなでか美さんに薦めたいのが、松田いりのさんの『 ハッピー山 』(河出書房新社)です。松田さんのデビュー作は、仕事は全然できないけど好き勝手に生きる主人公がとても爽快だったんです。笑える純文学、というか。そしてこの2作目が、また相当とんでもなかった。

画像のクリックで拡大表示
ハッピー山 』(松田いりの著、河出書房新社)
「親友」のはずの2人で始まったキャンプが、少しずつタブーを踏み越えていき、ついには主人公とキャンプ場の山そのものが一体化してしまう——。整合性など度外視した、破壊的な筆致が話題を呼んだ、松田いりのの異色作。

朝井:『ハッピー山』は、主人公の「一緒にキャンプに行くこの子と私は親友!」みたいな語りで始まるんですけど、絶対親友じゃないんですよ(笑)。主人公はどんどんタブーを犯していって、最終的には“キャンプ場の山と一体化する”んですね。整合性とかないし、正直読んでいて「このシーン……何!?」みたいな場面もいっぱいあるんですけど、お笑いも大好きで実はパンクなでか美さんにおすすめしたかった。

でか美ちゃん(以下、でか美):ありがとうございます(笑)。

from でか美ちゃん→ to 朝井リョウ めちゃくちゃな人への興味がある朝井さんへ

でか美:『ハッピー山』を私に薦めてくれた朝井さんには、本当に偶然なんですけど、「山」つながりの本を持ってきました(笑)。『 地図なき山―日高山脈49日漂泊行― 』(角幡唯介著、新潮社)です。私、普段は小説やフィクションを読むことが多いんですけど、BS12の『ブックスタンドTV』っていう本にまつわる番組で何年かMCをさせてもらっていて、ゲストに来てくださる方のノンフィクションも読むようになって。

 この『地図なき山』の角幡唯介さんは探検家で、山が好きすぎて、「簡単な山を、あえて地図なしで歩いたらどうなるんだろう?」っていう挑戦をこの本の中でされているんです。

画像のクリックで拡大表示
地図なき山―日高山脈49日漂泊行― 』(角幡唯介著、新潮社)
「地図ありきの登山は、果たして登山と言えるのか」という問いから、あえて地図を持たずに日高山脈へ分け入った登山家による漂泊行の記録。感覚だけを頼りに進む49日間をつづった、異色のノンフィクション。

でか美:角幡さんって、何度も何度も試行錯誤しながら、「じゃあ次はこっちへ行ってみよう」とか、「なんとなく川の音がするから、これ以上近づいたら危ないかも」とか、自分の感覚だけを頼りに進んでいくんです。でも、下山してから地図を見たら、「別に全然危なくなかったじゃん」っていうことがわかったりして。それが本当に面白くて。

 そもそもこの本は、「地図ありきでやる登山は本当に登山と言えるのか?」という問いから始まるんです。でも、何回読んでも私は「いや、それも登山でしょ」って思うんですけど(笑)。それでも、その問いに付き合わされるプロセスが、とにかくめちゃくちゃ面白いんですよ。

「著者の問いに付き合わされる感覚が面白いんです」(でか美ちゃんさん)
「著者の問いに付き合わされる感覚が面白いんです」(でか美ちゃんさん)
画像のクリックで拡大表示

朝井:この本のタイトルは比喩とかじゃなくて、本当に地図なき山なんだ。

でか美:そうなんです。朝井さんって、練習スタジオを押さえたり、事務的なこともきっちりやってくれる、すごく社会性のある人じゃないですか。その一方で、“めちゃくちゃな人間”への興味もすごくある人だから、この本、絶対好きだと思います。

from 柚木麻子→ to でか美ちゃん アイドル好きなら絶対好きになる本

柚木:私からでか美さんには『 うさぎ狩りの夜に 』(モナ・アワド著、下田明子訳、早川書房)を薦めたい。モナ・アワドの小説で、原題は『Bunny』といって、今、海外ですごく話題になっているんだよね。

画像のクリックで拡大表示
うさぎ狩りの夜に 』(モナ・アワド著、下田明子訳、早川書房)
アメリカの大学の創作科に集う、美少女4人組「バニー」たち。互いを褒め合う超シスターフッドな彼女たちには、ある秘密の儀式があった——。女子の友情の裏に潜む孤独と欲望を、鮮烈なタッチで描くダークファンタジー。

柚木:舞台は、小説家を目指す人たちが集まるアメリカの大学。主人公は、才能はすごくあるんだけど、その学部の中では完全に浮いていて。その一方で、大学には「バニー」って呼び合う最強美少女グループが4人いるんです。お互いを褒め合っていて、超シスターフッドで、フェミニズムの呼吸も身につけていて、ウケる創作もそれなりにやれる集団なんですよ。

 でも、その4人には秘密があって、実は黒魔術みたいなことができるんです。うさぎを飼って、そのうさぎを捧げ物にして、理想のイケメンを作るっていう。4人はいつも夜な夜な完璧なイケメンを作り出して、そのイケメンとデートしたり、多分セックスもしてると思うんです。

 この儀式に、ある日ヒロインも呼ばれるんです。実はヒロインには、ものすごい創作の才能があって、4人にもできなかったレベルの、誰もが恋に落ちるような完璧なイケメンを作り出してしまう。そして、バニーたち4人全員が、そのイケメンに本気で恋しちゃうんです。人間関係はもうぐちゃぐちゃになっていくんですけど、最後に大どんでん返しがあって。そこは絶対にネタバレできないんですけど(笑)。

「女子の友情について、すごく考えさせられる話なんですよね」(柚木さん)
「女子の友情について、すごく考えさせられる話なんですよね」(柚木さん)
画像のクリックで拡大表示

 しかも、単に「勝ち組をやっつけてスカッとする」みたいな話じゃないんです。この4人がどうして自分たちを「バニー」って呼び合っているのか。それは創作の孤独から目を背けながら、創作のおいしいところだけを取っているっていう構造でもあって。その解像度も、すごく高い。アメリカのInstagram界隈では妄想キャスト会議でめちゃくちゃ盛り上がっているし、アイドル好きなら絶対好きだと思う!

でか美:ハロプロで例えたら誰かな? って、絶対考えちゃう。その「4人」を誰にするか考えるのも楽しいし、主人公を誰にするか考えるのも楽しいですよね。

from でか美ちゃん→ to 柚木麻子 伝えたいことをきちんと伝える勇気が出る

でか美:私から柚木さんには、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル、後藤正文さんの『 朝からロック 』(後藤正文著、朝日新聞出版)を選びました。朝日新聞での連載を書籍化したもので、私もずっと読んでいたんです。

画像のクリックで拡大表示
朝からロック 』(後藤正文著、朝日新聞出版)
ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル・後藤正文による朝日新聞連載を書籍化。震災や原発事故を機に社会への発信を強めてきた著者が、自らの葛藤や反省も包み隠さずつづった、音楽家としての軌跡と信念の記録。

でか美:私が政治やジェンダーのことに関心を持ち始めたのは、25、6歳くらいのとき。それまでは、セクハラも受け流していくのが、大人として、女性としての生き方なんだと思っていて。でも、犬山紙子さんと出会って、「そうじゃなかったんだ」って気づかされて。ちょうどその頃に柚木さんとも知り合って、作品を読んで、「やっぱりそうなんだな」って思うことがたくさんありました。さらに、私の兄も精神障害があって、国の支援を受けながら生活しているので、自分の身近なところから社会の制度や福祉について考える機会も多かったんです。そういうことが重なって、興味の分野がどんどん広がっていった感じがあります。

 それで、「発信できる立場なら、発信したほうがいいんだな」って思うようになったんです。最初は、「投票に行きましょう」くらいのことからでした。でも、ラジオなんかで少しずつ自分の考えを話すようになってきて。ニュースのコメンテーターをするときも、自分が思っていることは、自分の言葉で話そうというスタンスになりました。とはいえ、発信すればするほど、いろんな意見が返ってくる。言いたいから言っているのに、この先どう叩かれるかもある程度わかっていて、それでも言わなきゃいけない。ときどき自己犠牲みたいに感じて、しんどくなることもあるんです。

朝井:うんうん。

でか美:後藤さんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの頃からずっと好きだったんです。でも、音楽を軸にしながら、東日本大震災や原発事故の頃から、社会のことをはっきり発信するようになって。私自身、社会的な意識が芽生える前は、正直「ゴッチ、変わっちゃったな。なんか政治の話をするようになっちゃったな」くらいにしか受け取れていなかった。

 でも、大人になればなるほど、「後藤さんは、あの頃からずっと言い続けてくれていたんだ」とわかるようになった。今でこそ社会的な発信をするミュージシャンも増えましたけど、本当に誰もやっていなかった頃から続けてきた人なんですよね。

 この本を読むと、後藤さん自身は柔らかいけど、強くなっていく様子がよくわかるんです。だから、「タレントだから叩かれるかもしれない」と思っても、「タレントである前に一人の人間なんだから、伝えたいことがあるなら伝えていいんだ」って思わせてくれた。本当に勇気をもらえるんですよね。柚木さんも、それをすごくやっている人じゃないですか。

「柚木さんは伝えたいことをきちんと伝える人」と語るでか美ちゃんさん
「柚木さんは伝えたいことをきちんと伝える人」と語るでか美ちゃんさん
画像のクリックで拡大表示

柚木:そんなすごいこと、やってないよ。

でか美:やってます(笑)。もっとみんなで一緒に、連帯とまでは言わないけど、立ち上がれたらいいなって、いつも思うんです。柚木さんの作品って、「連帯がうまくいかない」というテーマを描いているものも多いですよね。

 『 オール・ノット 』(柚木麻子著、講談社)もそうだし。あの本を読んだときって、ちょうどシスターフッドがすごく持ち上げられていた時期だったんですよ。なんとなく、雑に流行っているような違和感が自分の中にはあって。そんな中で、「連帯ってうまくいかないこともあるよね」っていうことをちゃんと書いている作品があるのは、すごいなって思いました。

柚木:『オール・ノット』はね、連帯のうまくいかないところも、ちゃんと書きたかったんです。さっき紹介した『うさぎ狩りの夜に』もそうだけど、ポップな作品の形を取りながら、分断とか連帯とか、そういう難しい問題を書くって、すごくいい文化だなと思っていて。今は、ちょっとそういう波が来ている気がするよね。

画像のクリックで拡大表示

取材・文/金澤英恵 写真/鈴木愛子 撮影協力/BUZZ新宿4丁目スタジオ