同じ時間だけ仕事をしても、バリバリ成果を上げて活躍する人もいれば、手戻りばかりで進まない人もいます。その差はどこにあるのでしょうか? 実はこの差を生み出している要因はセンスや能力ではないと、ITコンサルタントの江村出氏は指摘します。どうしたら、爆速で質の高いアウトプットが出せるのか、そのコツを新刊『仕事を上手に圧縮する方法 仕事時間を1/5にして圧倒的な成果を上げたITコンサル流 仕事の基本』(日経BP)から紹介します。1回目は、自分が“主人公”になる仕事のやり方について。

多くの人が勘違いしている「アウトプット」の考え方

 「今日は一日中、資料の作成に没頭していたなぁ」
 という日はありませんか? 個人ワークとしての資料の作成は、一見、タスクを前進させているように感じられるかもしれません。しかし、それがアウトプットかというと疑問です。

 なぜなら、資料をレビューしてもらうまでは、正しい方向に進んでいるかどうかがわからないからです。後日のレビューで方向が全然違うと指摘されれば、アウトプットはゼロになってしまいます。このように「結果的に無駄な日」ができてしまうのは、非常にもったいないですよね。

 そうならないためには、必ず「1日に1回はレビューの場を設ける」ことです。上司や顧客との会議を設定し、あなたの資料や考えに問題がないかを確認しましょう。

主人公になるための「場の設定」

 この観点で、現状のあなたの予定表を確認してみましょう。自分1人の作業だけで終えてしまう予定の日はありませんか? もしあるならば、さっそく上司や顧客からのレビューの会議を設定しましょう。

 レビューの内容は、スライド1枚でも、わずか数行の文章でも構いません。また、時間は5分でも10分でもOKです。まだ完成していないことで、指摘が多く修正箇所が膨大になったり、そもそも取り組む上での新たな問題に気づくという結果になっても構いません。対応すべきアクションが明確になったのであれば、それはむしろプラスに捉えるべきです。
 とにかく重要なのは、一日中自分の殻に閉じこもって作業に没頭しないことです。

 ところで、上司からの指摘をネガティブに捉える方がいます。そういう方は「毎日上司からレビューを受けなさい」というアドバイスを、大変すぎると感じられるかもしれません。
 しかし、それはあまり気にしないで大丈夫です。なぜなら、上司は一段上の立場から物事を見ているので、あなたにはない情報を多く持っているからです。

 指摘の多くは、あなたが能力不足だからではなく、よりよいものをつくるためになされるものです。ときには手戻りもあるかもしれませんが、全体的に見ればそれも「前に進む」ということです。

 また、あとでまとめてレビューをもらうよりも確実に全体の作業量も減りますから、「比較すれば100倍いい」といっても過言ではありません。

会議では「5分間、主人公になる」ことを目指す

 会議についても「アウトプット」という視点で考えましょう。「参加するだけ」「進捗状況を淡々と話すだけ」ではアウトプットとはいえません。
 反対に、会議でのあなたの発言がきっかけとなって物事が動いたり、何かアイディアを出せたならば、それは大きな成果です。

 ただし、会議の発言は「すればいい」というものではありません。ここでいう成果とは、誰もが思いつくような当たり前のコメントではなく、「おっ、すごいね」と驚かれる案や意見を出せることです。このときの最高の 褒め言葉は、誰かがあなたの発言を受けて、
 「〇〇さんが言ってくれた通り」
 と言ってくれたときでしょう。この言葉が出てくれば、あなたの発言が起用されて、物事を前に進めることができているといえます。

会議で5分間主役になるための「事前の準備」

 こうした「物事を動かす発言」を会議でできるようになるには、いかに事前の準備を行うかが重要です。

 私の場合、会議に臨むにあたり、事前に議題を把握し、先回りして議論を予測し、会議の場で使えそうなネタのストックをいくつか用意しています。
 このとき、自分の準備したネタを会議の場で出すために活用しているのが、「自己解決型ストーリー」です。議題に関して、「ここはマズイです」という問題を自分から炙(あぶ)り出して、みんなで少し悩み、そして最後に「こうすべきです」と準備してきた解決方法を提示して収束に持っていきます。

 この手法は少しあざといパフォーマンス的なものではありますが、その議題において重要な問題点を指摘し、解決することになるので、タスクを円滑に推進するためにも必要なプロセスといえます。

 問題を指摘するだけならば簡単で、誰にでもできます。しかし、それだけでは物事は動きません。事前に解決案を準備しておくことで、次のアクションにつながる有益な発言ができるようになります。あなたの見せ場は、自分でつくり出していきましょう。

(写真:popi/stock.adobe.com)
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江村出著/日経BP/1870円(税込み)