どうしても合格したい試験や、身に付けたい知識がある人にとって、勉強の計画を立てることはとても大切だ。特に、試験日が決まっている場合は時間との勝負になる。効率のいい計画とは、どういうものなのだろうか。9カ月で韓国の司法試験に合格したイ・ユンギュ氏の新刊 『私は合格する勉強だけする』 から一部を抜粋し、紹介する。

計画は「週ごと」に立て、余裕を持たせる

 試験勉強のための計画を立てるとき、普通は試験日を基準に、残された時間を逆算して計画を立てるだろう。このときに、考えなければいけない重要なことがある。

 大学の入試を受ける学生の中には、勉強をスタートさせる日から1日ずつ計算し、「今日から試験日まで1日に1点ずつ上げれば」という考えで勉強計画を立てる人がいる。これは、1日単位で計画を立てる「日別計画法」だ。しかし、実際にやってみた人はよく知っているだろうが、1日単位で計画を立てると、まだ時間がたくさん残されているように感じるので怠けやすくなる。

 それなら月ごとに計画を立てるのはどうだろうか。例えば「試験まで5カ月、2カ月」というふうに計画を立てて進めるのだ。

 しかし、このやり方も私はおすすめしない。残り期間が極端に短く感じられ、勉強の進み具合に不安を抱きやすくなるからだ。不安感が大きくなると、もともと立てた計画を何度も修正するようになり、せっかくやっている勉強方法の意味が失われやすくなる。

 結論として、私は週ごとの計画をお勧めする。1日ごと、1カ月ごとに計画を立てたときに出やすい「現実感が抜け落ちる短所」がなくなるだけでなく、この計画は、中学、高校を通して慣れ親しんできたものなので、体のリズムにもよく合い、受験生活に適応させるのも比較的難しくない。

週ごとが、いちばんゴールに向かって調整しやすい(写真:Shutterstock)
週ごとが、いちばんゴールに向かって調整しやすい(写真:Shutterstock)

計画を立てるときには、必ず休みの日を決める

 週ごとの計画は次のように立てよう。まず、勉強だけに専念できる週別の目標時間を設定する。学生の場合は60時間、会社員の場合は20~30時間を目安にするのがよい。

 そして、休みの日を決める。正確には完全に休むのではなく、計画した勉強ができなかったときに追加で勉強できる日のことである。

 その都度コンディションは変わるので、物理的にも心理的にも補習ができる日を決め、週別目標を完全に達成できるように設定するのだ。こうして勉強する日と休みの日を含めて、6日間を1週間として計画を立てる。週60時間を基準にした場合、1日の勉強時間は10時間になる。

 細かい計画は「1日に自分がどれだけ勉強できるのか」を基準に立て直す。計画表を作り、その各欄の下段には、1日にどれだけ勉強したか分かるよう、時間と達成度を記載する部分を作っておくのがよい。そうすれば、毎日の勉強が終わるたびに、自主的に点検と評価をして記録できる。このとき、点検しながら明日の勉強の計画を立て直すこともできる。

 計画を立てる上でのポイントは、目標達成のために勉強量を弾力的に運用しながらも、緊張感が緩まないように定期的に点検することにある。週ごとに計画を立てれば、1日ごとに柔軟に勉強しつつも、週ごとに目標達成度を点検し、適度な緊張感が維持されるという勉強リズムを保つことができる。さらに、達成度を簡単に把握できるので、自分がどの程度の強度で勉強し、どの程度休息を取ったほうがよいのか、すなわちアメとムチをどのように使えばいいのか見当が付く。

1日にどれくらい勉強しなければならないか

 計画を立てるときに重要な基準がある。1日にどれくらい勉強しなければならないのか、ということだ。

 「今日は、○○科目を○時間勉強した」。このような会話は、受験生の間でよく交わされる。多くの受験生が時間を基準に「1日」の勉強計画を組むだろう。だが、私は時間よりも「分量」を基準にして計画を立てることを勧めたい。

 ほとんどの人が経験したことがあるだろうが、いくら集中力のある人でも、ひたすら時計だけを見つめる日があるものだ。

 勉強というのは精神的・身体的に負担のある行為なので、知らず知らずのうちに、自分に甘くなってしまうことがある。時間を基準に計画を立てると、勉強過程全体が不安定になりやすいだけでなく、効率を一定に維持するのも難しい。その日の「集中」という変数によって、効率が毎回変わるからだ。

 例えば、1時間勉強するとしよう。ところが、ウオーミングアップに10~15分、時間がたつのを待ちながら勉強に身が入らない時間が10~15分だとしたら、本当に集中して勉強する時間は1時間のうち30~40分しかない。その30~40分も集中できなかったとしたら? 1時間椅子に座っていても、頭の中に残るものはあまりないだろう。

時間ではなくタスクを基準にする

 私の場合は、タスクを基準に勉強計画を立てた。そのためには、普段自分がどれだけの勉強量を消化できるのかを知らなければならない。

 最も良い方法は、1日にできる勉強量を記録しながら、客観的な量をはかることだ。受験生、特に1人で勉強する人は、少しでも心が揺れることがあると、あれこれと自分に言い訳をしながらやるべきことをもみ消しがちである。だが、客観的な統計や資料があれば違う。

 自分がどれだけの勉強をこなせるのか、どれだけの勉強をしなければならないのかが明確なので、生半可な合理化で手を抜きづらくなる。

 私の場合、まずは気楽に本を読み進めた。そしてその日、勉強が終わった時点のページ数を記録し、2日目はその分量を基準にもう少し量を増やして勉強した。そのようにして、初日に勉強できた量を基準に分量を増やしたり減らしたりして、最終的な目標勉強量を確立した。

 その勉強量を基準に、私は一度席に着くと3~4時間は勉強しつづけた。1時間で約15ページのチャプター1つを理解することを目標にした。だからといって必ず1時間に15ページを読まなければならないと強制したわけではない。少し疲れている日は、3分の2ぐらいの10ページほどを読むこともあった。勉強がうまくいく日は、次のチャプターの前半まで読むこともあった。

 その日のコンディションなどの具体的な状況を考えず、時間だけを基準にして勉強計画を立て、設定した時間が終わるとすぐに席を立って休憩する学生は多い。これはまるで休憩のために勉強に耐えているようで、本末転倒だ。それよりは、分量を基準に自分が完全に集中できる勉強量を決め、それを終えるまでは時間がどれだけたっても勉強を続けるという形で計画を立てなければならない。

確実に合格するためには、学習計画が大切だ(写真:Shutterstock)
確実に合格するためには、学習計画が大切だ(写真:Shutterstock)

(翻訳=岡田直子)

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イ・ユンギュ(著)、岡田直子(訳)、日経BP、1650円(税込み)