『日経ウーマン』で青木さやかさんに連載をお願いすることになったきっかけは、リレーエッセイ「妹たちへ」でのご登場でした。当時、マネジャーさんが心配していたのが青木さんの“マネーライフ”。「浪費家でお金の知識がない青木さんに新しい扉を開いてもらいたい!」という意気込みでスタートし、赤裸々にその様子を公開してきた連載が、1冊の本『お金まわりを見直したら人生が変わった』になりました。(本連載は、書籍『 お金まわりを見直したら人生が変わった 』に収録されている内容の一部を抜粋してお届けします)
17年前。銀座の街を歩いていたら、お金が貯まるダイヤのネックレスなるものをみつけた。最高。店に入り話を聞くと、このダイヤは最高だ、形は馬蹄、馬は財産や力の象徴で馬を守る蹄鉄は、富・成功・繁栄を呼びますね、とのこと。いかにも金のにおいがする店員さんが勧めてくる。なかなかの金額であった。200万円近い。しかし、2億円の価値があるような口ぶりで、クレジットカードを切れるなら、と試してみると切ることができた。幸運ですね、幸運でした、と会話を交わし、悠々自適の生活が始まったかと思いきや数カ月後。銀行残高が足りず支払いが滞り、所属事務所にカード会社から電話がきて社長室まで呼び出され、返してきなさい、と叱られたという今となってはいい思い出(どこがだよ)。
返すわけにはいきませんが、今後クレジットカードが切れるなら後先考えず買っちゃおうみたいな挑戦はいたしません、と断言した私に、「家計簿をつけなさい」と社長。え、家計簿? つけてんですか? 社長、と心で思いながら口にしない成熟した私の態度。「はい、分かりました」と事務所を後にし、向かった先は、表参道の「キデイランド」。スヌーピーのおこづかい帳を購入。
その夜、600円「おこづかい帳」と書き込んでそれっきり開くことはなかった。 ちなみにお金が貯まるネックレスは今だってキラキラと輝き気品があるが、それによってお金が貯まる気配は、ない。馬蹄頼みじゃ駄目なんだ、自力だ!
2024年春、家計簿アプリに挑戦。歴史に残る春。自分で入力。慣れてくると簡単。1カ月分の支出を、何に使ったか円グラフにしてくれる。すごいよ! アプリ! 可視化することで現実を知る。何度も思うがダイエットと一緒なんですね。支出を抑えたほうがいい。目視して驚く。正直こんなに使っている自覚がないのだ。坂本先生に教えを乞うようになり数カ月。簡単に支出を抑えられないことが、まず分かった。お金の使い方は癖なんだ。そんなに簡単にやせられないのと一緒か。可視化し、少しずつ、時間をかけてやせようじゃないか!(ダイエットの話じゃないのよ)。
支出の傾向から逆算して、年収の目標を設定する
おいしいものが好きで、遠くまで食べに出かけます。父の故郷、富山県南砺市利賀村には「レヴォ」というオーベルジュがありまして。創作フレンチ、芸術をいただいているような。コースのみ。三万円を超えますが、五感が喜びます。友人に教えてもらった、新潟県湯沢町のピッツェリア「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ」さんのピザも最高です。岐阜市の人気店「更科」の冷やしたぬきそば。甘く濃い出汁、天かす、油揚げ、ワサビを混ぜていただく思い出の味800円ほど。千葉県勝浦はタンタンメンが有名ですが「江ざわ」さん。しょうゆベース、硬め麺、ひき肉、白髪ねぎ、いい味出しているタマネギ。知らない、隣に座ったおじさん。うなずきあって興奮を共有しましたね。最近は東京・神保町のカレーの名店「欧風カレー ボンディ」さんにて、ビーフカレー1700円なり。いや~。並んだ甲斐がありました。現実逃避はこのあたりにして、さあ、毎月の支出、固定費合わせて約80万円。ということはですよ。80万円以上毎月稼がなくてはならないわけ。そうではない月だって、もちろんある。そうか、だから貯金が減っていったのか(改めて!)。
坂本 支出が分かると、稼がなくてはいけない金額が分かりますね。
青木 はい先生。
坂本 青木さんは手取りで年間約1000万円(80万×12カ月=960万円)。年間200万貯めたかったら1200万円稼がなきゃ。
青木 厳しいです!
自炊とサブスクを上手に使って節約が楽しい
節約を頑張ってみるぞ! とかなり気合いを入れた1カ月。人生初挑戦の多い6月。「衣・食・住」の「食」の部分では、出先へおやつを持参。おかげさまでコンビニエンスストアに入る頻度が減りました。らっきょうはスーパーで土がついたままのものを大量に購入し、洗って皮をむいて塩もみ。ただ、面倒すぎてもうやらないかもしれない(笑)。しかし健康的で美味。カレーやチヂミに刻んで入れてもおいしかったですね。
発芽玄米のおにぎりに入れるのは、食品メーカー「かどや」さんの「はみだしうめ(蜂蜜)」。大きく、酸っぱすぎずおかず的な梅干し。地元愛知県に戻る道中で寄った道の駅「もっくる新城」さんは行きつけ。安くて立派なキノコを大量買い。キノコは冷凍することでうまみと栄養価が増すそうで。キノコ好きな私。数日ごとに少しずつ購入するより明らかに支出を抑えています。それにキノコは足が早いので冷凍最高。鶏肉は安価なムネ肉を主に使う私、頑張ってる。
洋服のサブスクは“ワクワク感”も楽しめる
「衣・食・住」の「衣」のサブスクサービスに挑戦。1カ月に3着届くというもの。数あるスタイリングの写真の中から選ぶと、私に合うだろう洋服、上2着と下1着が送られてきた。1カ月目は初回特典で3000円台。今後使い続けるかは分からないが、自分のために誰かが選んでくれたものが届くワクワク感と、自分で買うと同じようなものばかりになってしまうので、新しい感じ。着てみると悪くない。服を替えて出かけると何かの欲求が満たされる気がして、いつもより「新しい服を買いたい!」という気持ちを抑えられる感覚がある。返却は専用袋に入れコンビニで渡すだけ。簡単! もし、やめる時は自分で手続き。解約は忘れないようにしないと永遠に続く。ここは気をつけねば。
青木さんの挑戦は続く。
青木さやか著、坂本綾子監修/日経BP/1980円(税込み)


