内容紹介

マンションや戸建て住宅の基礎にひび割れが生じて、トラブルになるケースが増えています。建築誌「日経アーキテクチュア」では、トラブルを回避する「ひび割れのないコンクリートのつくり方」を連載し、好評を博してきました。本書はこの連載を一冊にまとめたものです。
トラブルの原因は、主にコンクリートの乾燥収縮によるひび割れです。コンクリートは、セメント、水、砂、砂利を練り混ぜた生コンクリートを型枠に打ち込んでつくります。この際、水の量が多すぎると硬化の過程で蒸発する水の量も多くなり、乾燥収縮ひび割れが生じやすくなるのです。ひび割れが生じると、コンクリートの中に埋め込んだ鉄筋がさびて、建物の耐久性を短くする恐れがあります。
本書で提案するひび割れ防止策は、水の割合を抑えた生コンを使い、打設後に再び振動を与えて無駄な水を追い出す、といったものです。さらには、コンクリート表面を密実にする養生方法など、水分の蒸発を防ぐ様々な方法を解説します。