内容紹介
臨床能力に優れ、教育・研究に熱心であり、
チーム医療のリーダーとして病院医療の質を高められる人材だ。
わが国の若手医師も本書でホスピタリストを目指してほしい」
- 福井 次矢 氏●聖路加国際病院 院長 -
臨床のコンピテンスに重点をおき、治療のポイントを疾患別に丁寧に解説。
複雑化する病院医療を体系化。すべての局面に対応できる「ホスピタリスト」を育てる教科書。
「21世紀の病院に求められるのはどんな医師か?」……この問いに答えるために、米国の病院医学会(Society of Hospital Medicine)がまとめたのが本書です。これからの病院医療を支えるキーパーソンを養成するには、内科医として従来の医局型の教育を受けて経験を積むだけではなく、別のプログラムが必要であると考え、そのために「ホスピタリスト」という言葉を使って、これからの病院に求められる総合医の医師像を再定義しました。
■病院医療を体系化し、ホスピタリストに必要とされる技能や知見を詳説
本書の中核となっている部分は、入院患者の治療に関するポイントです。それぞれの疾患について、疫学データ、病態の概要、トリアージと初期管理、鑑別診断の進め方、入院中の病態管理、その後の展望とケアの切り替えなどについて解説します。ページ数では全体の約3分の2を占めています。
■病院医療を支えるキーパーソン・ホスピタリストリーダーとしての特性を解説
本書が極めてユニークなのは、チーム医療のリーダーに求められる特性について多くの章を割いていることです。入院前・ICU・一般病棟・退院後などのタイミングをとらえた薬剤管理とレジメンの切り替え、クリティカル・パスや入院スケジュールの最適化と適切な引き継ぎ方法、高齢手術患者の外科チームとの共同管理、入院患者の栄養管理、緩和ケアなど、従来はそれぞれ別の書籍に書かれていたことを、指導医向けにまとめています。
■組織マネジメントや病院経営の基礎もわかりやすく解説
管理職として知っておくべき組織運営や経営の基礎にもふれています。
臨床・教育・研究について若手医師の指導に当たれる実力を持ち、他の専門職種とのスムーズな連携を可能にし、病院医療の質を高め、経営的な視点も理解できる病院のリーダー。それが米国病院医学会が提唱するホスピタリストのイメージです。診断学の教科書としても、病院に勤務する医師のみならず、すべての医療関係者に本書をお勧めします。