内容紹介

日本の製造業が強いとされる中・少量の個別受注設計。しかし、海外メーカーが力を付けるに連れ、海外市場では苦しい競争を強いられる局面が増えてきました。顧客の要望に応えようとするあまり、見積もりに時間が掛かりすぎたり、設計が非効率で手戻りが頻発してコストと時間が予想以上に増大したり。実際、こうした事態に悩まされている企業が多いようです。これまで国内では通用した設計のやり方が、グローバルでは通用しなくなってきているのです。

迅速さと正確さ、かつコストを求められる海外市場で求められているのは、設計力を生かした提案型のビジネスです。日本メーカーがそれを実現するには、これまでの顧客ごとの都度設計から脱却しなくてはなりません。あらかじめ構造化された設計に基づいて顧客の要求に応える効率的な製品開発が必要なのです。

筆者らが解く「構造化設計手法(SDM)」は、製品の構造だけでなく、製品の根幹を成す機能そのものも構造化しようというもの。SDMの取り組みによって、設計のスタイルが大きく変わり、効率的で安定した品質の製品開発が可能となるのです。それにより、提案型の営業を実現し、海外市場での競争力を一段と高めることができます。

本書は、筆者らのこれまでの多数のコンサルティング経験に基づいて、従来の製品設計をいかに分解し、そして構造化された設計へと再構築するのか、その考え方を実例も交えて解説した設計改革の指南書です。SDMを知ることで、自社の設計部門の課題がより明確に分かり、改革の方向性もつかめるはず。グローバル市場でのさらなる飛躍を実現する効率的な設計とは何か。メーカーの経営幹部や設計部門・製品開発部門のリーダーに是非読んでほしい一冊です。