内容紹介
市場では現在、「iPad」に代表されるタブレット端末、「iPhone」やAndroid端末といったスマートフォンなどの機器が活況を呈しており、しばらくは冷める気配はありません。こうした機器の特徴は、薄型・小型・軽量といった携帯性の高さ、優れたユーザー・インタフェースによる使い勝手の良さ、通信だけでなく各種アプリケーションを実行できる機能の豊富さなどを1台にまとめているところにあります。果たして、各種特徴を持ち運び容易な筐体に収めるために、どのような工夫を盛り込んでいるのでしょうか。その答えは、各種機器の中身を探ることで見えてきます。本書は、話題の機器を分解し、内部構造や要素部品をじっくりと観察することで、機器の特徴の源をあぶりだしています。本書では、タブレット端末やスマートフォンに加え、携帯型や据置型のゲーム機、ノート・パソコンの分解記事を収録しました。いずれも、2009~2012年春までに発売された新しい機器ばかりです。分解した機種名を具体的に挙げると、タブレット端末では2012年3月に登場した新型「iPad」、2011年発売の「iPad2」、そして初代のiPad、さらにiPad以外のタブレット端末や電子書籍端末「Kindle」などがあります。スマートフォンでは、「iPhone 4S」「iPhone 4」といった最近のiPhoneに加え、新興国で販売されるAndroid端末を取り上げました。ゲーム機では、「PlayStation Vita」「ニンテンドー3DS」などの携帯型、据置型では「PlayStation 3」などを、ノート・パソコンでは薄型機「MacBook Air」やノートPC初の高速光伝送採用機「VAIO Z」の分解記事を収録しました。
機器の分解によって見えるプリント基板や半導体は、電子技術者のキャンバスです。そこに描かれた技術は、技術者だけではなく、事業責任者や営業、戦略企画など、多くの関係者にとって重要な情報であるといえます。分解記事を通して最先端の電子機器を深く理解することで、電子機器の製品・技術のさらなる発展につながれば幸いです。