内容紹介
◆ 車載システムの機能安全規格「ISO 26262」についての初めての入門書◆ ISO 26262の成り立ちから、各章ごとの内容までを系統立てて分かりやすく解説
◆ 随所に挿入したコラムで、規格が策定された背景や、リスクの考え方など興味深いエピソードを紹介
2009年に起こったトヨタ自動車の大規模リコール事件は、クルマの電子システムに潜むリスクの大きさを改めて浮き彫りにしました。2011年11月に正式発行した車載電子システムの機能安全規格「ISO 26262」は、これまでの日本の完成車メーカーの、安全に対する考え方を根底から変えることを迫っています。
これまで日本の自動車メーカーは、「車両故障に起因する事故が絶対に発生しない」ことを目指して、自動車を開発してきました。しかし、技術的に「絶対に発生しない」ということはあり得ません。このためISO 26262では安全を「リスクが存在しない」状態ではなく、対象となるリスクが安心して受け入れられる程度に抑えられた状態を安全と捉えています。それでは、どの程度までのリスクなら許容可能なのか、許容可能な程度までリスクを抑制するためにはどうしたらいいのか、そのための方策を包括的にまとめたのがISO 26262だといえます。
本書では、ISO 26262のコンサルティングで多くの実績を上げているビジネスキューブ・アンド・パートナーズが、規格の成り立ちから、各章ごとの内容を、実例を交えながら分かりやすく解説しています。ISO 26262の取得に取り組む車載電子システムの開発エンジニアに必携の一冊です。