内容紹介

スマートフォンやタブレット端末の市場は右肩上がりで拡大しています。スマートフォンのブームの火付け役である米Apple社の「iPhone」や、そのiPhoneを押しのける形で市場シェア・トップに躍り出た韓国Samsung Electronics社の「Galaxy」、じわりと人気が高まってきたソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」など、消費者を引き付ける機種が豊富になってきました。製品競争も激しく、高機能化の流れが止まりません。

一方、タブレット端末では大きさや形の種類が増えてきました。大きさでは、Apple社の「iPad mini」や米Google社の「Nexus 7」など、画面寸法が7~8型の小型品が人気を博しています。さらにノート・パソコンでありながらタブレット端末に変化する機種も出てきました。

こうした機器に共通することがあります。それは、携帯性を高めるために様々な工夫を施して各種機能を小さく薄い筐体に収めていることです。日経エレクトロニクスでは2012年、話題の機器を分解し、機器の特徴の源をあぶりだす別冊「分解大全」を発行しました。本書は「分解大全」の第2弾として目的はそのままに、2012年夏~2013年中ごろまで発売されたスマートフォンやタブレット端末の分解記事を掲載しています。

本書の記事は、それだけではありません。「様々な機能を小さい筐体に収める」思想は、ゲーム機やデジタル・カメラ、テレビやレコーダーといった映像機器でも同様です。本書は、任天堂のゲーム機「Wii U」やミラーレス一眼といった人気のデジタル・カメラなどの分解記事も掲載しています。さらに、機器の設計思想を網羅的に把握していただけるように、白物家電や玩具などにも分解する機器の範囲を広げました。

機器の分解によって見える電子部品の構成、筐体の設計などには、電子機器技術者の英知が結集されています。本書は、写真を数多く使い、技術者だけでなく多分野の方々にも機器の魅力をお伝えできるようにしています。最先端の電子機器の魅力を多くの方々にご理解いただけることで、電子機器の製品競争力向上や技術進化につながれば幸いです。