内容紹介
樹脂と金属など、異なった材料を互いに強固に接合する「異種材料接合技術」が、これまでにない製品開発を可能にする基礎技術として注目を集めている。狭い面積でも強い接合強度が得られ、引っ張り試験では接合面ではなく樹脂側の材料の途中が切れてしまう(母材破断)ような技術だ。『日経ものづくり』は、このような異種材料接合技術について、これまで継続してウォッチしてきた。本書では、国内16社が取り組む異種材料接合技術を網羅して解説する。さらに、接合技術に対する最新ニーズについての調査結果も収録した。
これらの技術により、従来は樹脂だけで造っていた部品の一部だけを金属で置き換えて、そこだけ電気が通るようにしたり、強度を上げたりといった価値の高い部品ができる。異なった金属同士なら、例えば鋼材で強度を維持したまま部品の一部を軽いアルミニウム合金に置き換えることにより、大きく軽量化を図ることができる。性質の異なる材料を自由に組み合わせて部品を造れるようになり、さまざまな価値を生み出せるようになる。
2013年に特許庁が公表した「平成25年度特許出願技術動向調査報告書」によれば、接合技術に関して日本の特許出願件数は1位である。異種材料同士の接合技術に関しても、日本は最先端の技術を持っている。さらに、接合強度の試験方法について、日本が提案した国際規格が間もなく成立する見込みである。
本書では、2014年秋に8企業・大学が、異種材料接合技術の最前線動向を講演したセミナーの講演録を収録。さらに、日経ものづくり誌がこれまでに取材してきた、さまざまな国内企業の異種材料接合技術についての解説記事やニュース記事を再編集。これまで不可能だった設計を可能にしたいと考える開発設計者向け、よりよい製品の生産を可能にしたいと考える生産技術者向けに、最先端の情報を提供する。
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