内容紹介

熊本地震が突き付けた戸建ての死角
問題がないはずの新耐震住宅が多数倒壊した。
被災住宅の現地調査と図面分析から、倒壊の原因と対策を読み解く。


熊本地震の被害から地震に強い家を再検証しました。
一般的には、昭和56年(1981年)の新耐震基準より古い家が地震に弱いと考えられてきましたが、
熊本地震では新耐震基準の家も2000年を境に耐震性能に違いがあることが明らかになりました。
2000年の告示で追加になった規定や、くぎのめり込みによる強度の低下など、
日経ホームビルダーが報じてきた耐震対策の課題を一冊にまとめました。

【 目 次 】
PART 1
熊本地震の被害の特徴

 住宅被害は16万棟超
 被災地の住宅57棟を踏査
 前震耐えるも本震で倒壊 ほか

PART 2
倒壊の原因を徹底分析

 阪神を上回る破壊力
 壁位置の上下不ぞろいが弱点に
 見えてきた崩壊プロセス ほか

PART 3
危ない新耐震住宅

 65%が接合部に問題あり
 曖昧さが奪った耐震性能
 重要ワードの要点/木造住宅の「2000年基準」

PART 4
顧客と実務者の本音

 築浅顧客に拡大する耐震不安
 半壊が地震後居住の分かれ目
 4号特例を再考し制振に注目

PART 5
実験で分かる住宅の壊れ方

 耐力壁が少ない家の壊れ方
 筋かい耐力壁に潜む危うさ
 なかなか壊れない大開口 ほか

PART 6
危ない筋かい

 角度が急な筋かいの強度は?
 断面欠損で筋かいの強度は?
 節のある筋かいの強度は? ほか

PART 7
危ない軸組

 1階だけの補強は危険?
 引き抜きと偏心、優先は?
 接合がいい加減な増築リスク ほか