内容紹介

コネクティッドカーが生み出す社会的な価値とは!?

つながるクルマ、「コネクティッドカー」が自動車業界に与える影響を分析し、日系メーカーがとるべきビジネス戦略について解説しています。

コネクティッドカーは自動運転や電動化と並ぶ次世代自動車のキーワードとされながらも、その実態や機能についてはほとんど明らかにされていません。また、これまでハードウエアを主に扱ってきた自動車関係者にとって、ソフトウエアやサービスを主軸とするコネクティッドカーはつかみどころがなく、縁遠い存在でした。

本書はクルマやITの専門知識を持たない読者を対象に、平易な言葉でコネクティッドカーの実像に迫ります。グローバルな経済環境や人々のライフスタイルの変化など、さまざまな将来予測を基に、コネクティッドカーが生み出す社会的な価値を考察します。その上でコネクティッドカーに必要なハードやソフトといったシステム要件を示します。

特にコネクティッドカーが日系メーカーのビジネスに与える影響について詳しく述べています。日系メーカーの強みがどこにあるのか、その強みを生かしながらコネクティッドカーの価値を取り込むためにはどのような戦略を構築すべきなのか考えます。「100年に1度の大変革期」といわれる自動車業界を勝ち抜くために重要なヒントが随所に散りばめられています。

主な内容
【0章[導入]】2030年頃の将来に向けた既存の動き
0-1 マクロ環境としての問題点と課題

0-2 マクロ課題に対するソリューション
0-2-1 各国・地域政府の取組み
0-2-2 問題解決のための具体的検討テーマ

【1章】技術の進化予測概要と、社会・個人のライフスタイルの変化予測
1-1 情報技術の進化予測概要
1-1-1 データ主導型社会への移行
1-1-2 影響力の大きい分野とプレーヤー

1-2 人とモノの移動に関わる分野の変化予測
1-2-1 材料、モノづくり
1-2-2 農業、フードビジネス
1-2-3 教育
1-2-4 医療・介護・保育と、ライフワークバランス
1-2-5 人とモノの移動に関わる変化のまとめ

【2章】クルマメーカーにとってのビジネスチャンス
2-1 クルマビジネスの環境変化と脅威/チャンス
2-1-1 クルマメーカーを取り巻くビジネス環境の整理
2-1-1-1 クルマのつくりとサプライチェーンの変化
2-1-1-2 クルマに求められる価値と販売・アフターサービスの変化
2-1-2 クルマメーカーがおさえるべきクルマ事業のポイント
2-1-2-1 ビジネス面
2-1-2-2 技術面
2-1-2-3 ポイントのまとめ
2-1-3 クルマ事業にとって考えうる脅威とチャンス
2-1-3-1 クルマ事業にとって考えうる脅威
2-1-3-2 新たなビジネスチャンス
2-1-3-3 クルマメーカーの今後の戦い方

2-2 クルマメーカーがとるべきモビリティー関連サービス分野の戦略
2-2-1 利益を産むサービスの在り方
2-2-1-1 相乗効果を狙う
2-2-1-2 相乗効果(1)水平と垂直の交点
2-2-1-3 相乗効果(2)マネーフロー
2-2-2 戦略
2-2-3 すでにある資産(日系クルマメーカーの強み)
2-2-3-1 強み(1)クルマの品質・耐久性
2-2-3-2 強み(2)多品種生産、多様なオプションヘの対応力
2-2-4 クルマメーカーの課題
2-2-4-1 課題(1)真のコネクティッドカーのシェア向上
2-2-4-2 課題(2)エコシステムの構築
2-2-4-3 課題(3)サービスの企画

2-3 今後クルマメーカーが検討すべきビジネス例
2-3-1 モビリティー関連サービス事業として検討するサービスの例
2-3-1-1 A:モビリティーの備えるべき仕様を握る
2-3-1-2 B:ポジティブな移動デマンドを育てる
2-3-2 クルマ事業で検討するコネクティッドサービスの例
2-3-2-1 C:無駄な移動時間をゆとりに変える
2-3-2-2 D:より多くの人の自由な移動をサポート

【3章】戦略実現のために必要なシステムと体制
3-1 システム
3-1-1 2030年頃のトレンドと求められるシステムの競争ポイント
3-1-2 ビッグデータ・Al活用を前提としたデータ収集の仕組み
3-1-3 高度化・細分化するデマンドをスピーディーに実現する仕組み
3-1-3-1 コネクティッド基盤のシステム開発に必要な変化とあるべき体制
3-1-3-2 用途に応じたインテリアと車載装備のフレキシビリティー

3-2 事業管理
3-2-1 システムと事業管理の関係性
3-2-2 戦略実現に向けた事業管理の在り方