内容紹介

AIモデルの精度向上を実現する実践的なノウハウをやさしく伝授

今、IoT(Internet of Things)の分野でAI(人工知能)の活用が急速に広まっています。ただし、実業務において成果を得るまでに到達できる企業はごくわずかでしょう。その主な原因は、AIにおける学習モデルの精度にあります。AIにとってデータの良しあしが最も重要な点はよく知られていますが、現実にはAIに適したデータを収集するのは容易ではありません。

ではどのようにデータを収集すればよいでしょうか。その答えは、「データの前処理」にあります。本書は、日立産業制御ソリューションズ AI&ビッグデータソリューションセンタが取り組んできた、IoTで生まれるビッグデータをAIに与えるためのデータの前処理に関する実践的なノウハウを事例に基づいてまとめたものです。

本書前半の1章、2章では、データ利活用におけるデータ前処理の重要性について紹介します。後半の第3章以降では、IoTやAIにおけるデータ活用プロセスについて、より実践的に解説します。各章では、データ分析ツールを用いた実践方法を掲載しています。プログラミングの知識なしに、データ前処理を体験できます。

本書の読者は、IoT、AI、ビッグデータ解析の導入に興味を持っている、あるいは、すでに導入されている企業の経営層、CIOをはじめ、情報システム部門や企画部門といった関連する方々、実務的なデータ活用プロセスを学びたい学生を対象としています。特に、IoT、AI,ビッグデータ解析を導入する意欲がありながら、技術面・費用面で踏み切れないでいる企業の方々に読んでいただきたいと思います。

【4章~6章で使用する】サンプルデータについて
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本書で使用するサンプルデータは以下よりダウンロードしてください。ダウンロードした圧縮ファイル(ensyu.zip)をローカルPCのフォルダーに展開します。本書では、「c:¥ensyu¥」という名前のフォルダーを作成し、ファイルを格納している前提で説明しています。データダウンロードはこちらから

≪目次≫
第1章 AI、IoTが日本で進まない本当の理由
第2章 データの前処理とは何か
第3章 AI、IoTにおけるデータ活用プロセス
第4章 実践ステップ①「ビジネスの理解」、ステップ②「データの理解」
第5章 実践ステップ③「データの準備」
第6章 実践ステップ④「モデリング」
第7章 実践ステップ⑤「評価」、ステップ⑥「展開」
第8章 実践ステップ⑦データのバリューアップ手法
付録 データ分析ソフト 「KNIME」の使い方