内容紹介
薬剤師業務に役立つ医療情報検索・活用テクニックを事例に沿ってしっかり解説!的確・迅速な医療情報検索は薬剤師にとって必須のスキルです。本書では、EBM(エビデンスに基づく医療)を実践する2人の著者が、検索テクニックを丁寧に分かりやすく解説しています。検索対象は添付文書、インタビューフォーム、診療ガイドライン、医学論文(PubMed、コクラン・ライブラリー)など。薬剤師が現場で出会いそうな疑問を事例として取り上げ、どんな資料をどう検索すれば答えが得られるかを示します。単なる診療ガイドラインの読み方、PubMed検索の仕方などにとどまらない、薬剤師の仕事の実情に沿った内容です。
■本書で取り上げている検索テーマ
1.情報検索の大切さ
「コデインリン酸塩」の小児投与リスク、いつから知ってた?
患者さんの人生も左右する薬剤師の「情報検索力」
2.添付文書の活用
この睡眠薬(エスゾピクロン)は、飲んだらすぐ効くの?
血中濃度の推移について検索する
3.インタビューフォームの活用[1]
妊娠希望の患者さん、「ロラタジン」継続は選択肢になる?
妊娠中の薬剤の安全性について検索する
4.インタビューフォームの活用[2]
私に出された睡眠薬、飲む量が夫より少ないのはなぜ?
性別・年齢による用量調節について検索する
5.診療ガイドラインの活用[1]
片頭痛の頓服薬、1カ月何回以上は使い過ぎ?
「薬物乱用頭痛」の診断基準について調べる
6.診療ガイドラインの活用[2]
「ロサルタン」の「1日2回服用」は間違い?
添付文書に記載がない薬剤の例外的な用法を検索する
7.診療ガイドラインの活用[3]
妊娠に気付かず吐き気止めを飲んでしまった
添付文書上は「禁忌」の薬の影響を調べる
8.医学論文の活用[1]
「バルプロ酸」と「テビペネム」の併用、3日間なら大丈夫?
併用禁忌の薬で起こる副作用の詳細を調べる
9.医学論文の活用[2]
「チアマゾール」と「プロピルチオウラシル」、副作用のリスクが高いのは?
類似薬を比較検討したデータを調べる
10.医学論文の活用[3]
「桔梗湯」で喉の痛みは本当に軽減するの?
「前後比較研究」による有効性の評価
11.医学論文の活用[4]
「桔梗湯」の効果そのものの評価に適した試験は?
「ランダム化比較試験」による有効性の評価
12.医学論文の活用[5]
SGLT2阻害薬で下肢切断リスクが増加する?
「ランダム化比較試験」による有害事象リスクの評価
13.医学論文の活用[6]
有害事象のリスク、評価に適した試験デザインは?
「コホート研究」による有害事象リスクの評価
14.医学論文の活用[7]
DPP-4阻害薬の中で類天疱瘡のリスクに違いはある?
「総説論文」の活用
15.医学論文の活用[8]
有害事象のリスク評価、コホート研究以外で参照するのは?
「症例対照研究」による有害事象リスクの評価
16.医学論文の活用[9]
「フェブキソスタット」で心血管死亡が増える?
システマティックレビュー・メタ分析の活用
17.医学論文の活用[10]
片頭痛かどうかをどう判断する?
有病割合やリスクファクター情報の活用
18.医学論文の活用 [11]
PubMed以外に便利な論文検索サイトはある?
「コクラン・ライブラリー」を検索する
●著者について(共著)
青島周一(薬剤師)
2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て、12年9月より医療法人社団 徳仁会中野病院(栃木県栃木市)に勤務。NPO法人アヘッドマップ(AHEADMAP)共同代表。薬剤師によるEBMの実践とその普及に取り組んでいる。主な著書は「ポリファーマシー解決! 虎の巻:(日経BP社2016」)、「薬剤師のための医学論文の読み方・使い方(共著)(南江堂、2017)
児島悠史(薬剤師)
2011年京都薬科大学大学院修了。「誤解や偏見から生まれる悲劇を、正しい情報提供と教育によって防ぎたい」を活動理念に、薬局業務のほかメディアの監修や寄稿、講演、Webを使った情報発信・共有に取り組む。2019年11月から株式会社sing取締役。近著は「薬の比較と使い分け100(羊土社、2017)」「OTC医薬品の比較と使い分け(羊土社、2019)」